<#1-3>市営・医療機関ではないこと

 

 私が「高槻カウンセリングセンター」という屋号をつけたのは非常に単純な理由でありました。開業するならその地域や駅名を入れることと、カウンセリングという言葉を入れるということだけは私の中では決まっておりました。高槻で開業場所を探している時に、不動産屋さんから「屋号は何?」と問われて、とっさに「高槻カウンセリングセンターです」と答えたのです。それ以来、「高槻カウンセリングセンター」でやっている次第です。

 従って、もし枚方駅付近で開業していたら「枚方カウンセリングセンター」などと称していたでしょうし、阪急駅が一つズレていれば「カウンセリングルーム上牧」とか「カウンセリングオフィス富田」などと称して仕事をしていただろうと思います。

 高槻カウンセリングセンターという屋号から、高槻市の市営の機関と勘違いされる方もおられるようです。正直に申し上げますと、そのような勘違いをされるとは私は思ってもいませんでした。カウンセラーが公務員であるはずはなく、カウンセリングは行政が関与するような職種でもないのであります。私の中ではそのことは自明であったのでありますが、勘違いされる方もおられるのでここに明記しておきます。

 私のところは市営の機関ではありません。

 

 また、当センターは非営利団体ではありません。私は営利を追求します。

 私は個人的には非営利団体というものが好きになれないのであります。もっとも、非営利団体と言っても、活動領域は多方面にわたるでしょうし、中には非営利で働くことが望ましいという領域もあるかもしれません。しかし、カウンセリングや心の問題に関しては、非営利で仕事をすることには賛成できないのであります。

 自分たちの利益を最小限に抑えるということは、私には自分を安売りしているように見えるのであります。カウンセリングというのは、案外、神経を使う仕事であります。そのためにさまざまな知識や経験を身につけなければならないのであります。私はカウンセリングがとても骨の折れる仕事であると感じられているのですが、それだけたいへんな仕事に対して対価を求めるのは正当なことであると私は考えています。

 そして、自分を安売りする人は「自尊心(あまい使いたくないコトバだ)」が低いのであります。自尊心が低いから自分を安売りできるのであります。カウンセラーがそういうことをすると、却って、クライアントに悪い手本となってしまうと私は考えています。そのカウンセラーは、「低い自尊心保持者」のモデルとなるわけで、クライアントはそのカウンセラーの姿を取り入れていくことになってしまうと私は考えている次第であります。

 ここでも明記しておきましょう。

 当センターは非営利団体ではありません。

 

 最後に当センターは医療機関ではないということも述べておくのですが、これを述べるにはいくつかの前提を綴る必要があるように思います。

 カウンセラーは心理学専攻者であります。医師は医学専攻者であります。専門領域が異なるのであります。専攻領域が異なるので、同じ対象に対しても考え方や視点が異なるのであります。「病気」という概念も医師と心理学者の間には相違があり、「治る」ということでも医師と心理学者とでは意味が異なるのであります。

 ところで、心理学という学問は他の学問分野と結びついて、さまざまな応用分野を有しています。心理学は人間に関する学問である(と私は思っています)ので、人間の活動のすべてに心理学が生まれるのであります。いささか極論かもしれませんが。

 例えば、社会学と結びつけば社会心理学に、宗教学と結びつけば宗教心理学に、神経生理学と結びつけば神経心理学に、その他、芸術心理学、歴史心理学、犯罪心理学、環境心理学、スポーツ心理学などなど、数え上げるとキリがないほどであります。

 肝心な点は、他の学問分野と結合する時に、その分野の専門用語を心理学が借用するというところにあります。社会心理学では、社会学の用語を使うのであります。言い換えると、その分野の専門用語は共有されるわけであります。

 臨床心理学でも事情は同じであります。臨床心理学は精神医学と結びついているのでありますが、やはり精神医学で使用されている言葉を借用しているのであります。臨床心理学と精神医学と、専門語は共有されているのであります。

 例えば、精神医学では「うつ病」の研究をします。同じように臨床心理学でも「うつ病」の研究をします。「うつ病」というコトバは共有されています。前者は医学的な研究をするでしょうし、後者は心理学的な研究をするでしょう。専門的な勉強をすると両者の違いが見えてくるのですが、一般の人からすると同じことを研究しているように見えるかもしれません。用語が共有されていると、そのように思う人も現れるのではないかという気がするのであります。

 しばしば医師とカウンセラーを同一視する人もおられるので注意しておきたいのであります。専門語の共有使用は、それが唯一の要因というわけではないとしても、そのような同一視を生み出す契機になっているかもしれないと私は考えています。

 さて、ここでも一つ明記しておきましょう。

 当センターは医療機関ではありません。だから保険適用外であります。

 私のところが医療機関ではないことを最も端的に示しているのは、料金設定であります。一回の面接が6000円と書けるのは、私のところが医療機関ではないからであります。医療機関ではそのような表示ができないのであります。というのは、診断も治療方針も定まっていないのに料金を明記するなんてことはできないからであります。

 従って、面接料金が明記されているような機関は医療機関ではない、とそう思っておくとよろしいかと思います。

 

(文責:寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

 

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