<#1-10>面接について
カウンセリング(面接)は、クライアントたちに当センターまでお越しいただいて受けてもらっております。
面接は対面式であります。お互いに正面を向き合っての形式になります。
面接をしておりますので、その他のツールによるカウンセリングは実施しておりません。電話カウンセリングであるとか、メールカウンセリングなどはしておりません。また、リモートによるカウンセリングも実施しておりません。これらは、私が苦手であるというだけでなく、クライアントの秘密をどれだけ守ることができるのかが未知数であるためにしたくないのであります。
例えば、リモートでカウンセリングをしたとしましょう。あなたは他に誰もいない部屋でリモートカウンセリングを受けます。しかし、あなたのパソコンから私のパソコンへと通信があったという履歴はいつまでも残るのであります。電話の場合でも同様であります。こうした履歴が残るということは、そこから秘密が漏れるということも考えられるのであります。正直に言えば、クライアントがカウンセリングを受けたという履歴をこういう形で残してしまうことに私は反対するのであります。
それはさておき、対面式で面接をするとは、それが「社会的」な関係であることを象徴しています。どのような面接であれ、それが社会的な意味合いのある場合、対面式でなされるのが常であります。横並びや90度法はもう少しフランクな場面であるという意味合いが濃くなるように私は考えています。
基本的に対面式であります。過去には、耳が遠いという理由で私の横にお座りになられたクライアントもありました。目を合わすのが苦手だという人は、椅子を横に向けてお座りになられた方もおられました。それは構いません。ただ、基本的に対面式で面接しますというだけのことであります。
こうした面接形式や場所に関する事柄は「枠組み」ページで取り上げることになると思いますので、ここでは簡単に済ませることにします。
カウンセリングのような作業はクライアントの生活空間内でやるべきではない、というのが私の考えであります。その生活空間の意味合いがそれぞれの人にあるでしょう。臨床家がそこに踏み込むことには賛成できないのであります。
むしろ、クライアントは彼の日常生活空間の外に出てもらってカウンセリングを受ける方がいいと私は考えています。ここに場所による力動という概念が入ってくるのですが、場所がその人にある種の心的状況を作ることに一役買うのであります。カウンセリングの場で経験することと、日常生活空間内で経験することとは、別である方が望ましいと私は考えています。
そのため、クライアントにとってはお手数をおかけするのでありますが、面接のために当センターまで足を運んでいただくことになることをご了承いただきたく思います。
(文責:寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)