9月5日(水):静かに生きる
昨日はあの台風のために一日中家に拘束されっぱなしとなった。
家の被害は窓ガラスだけだった。裏の家の屋根瓦が飛ばされ、それが窓を破って侵入してきたのだ。今までの台風でこんなことはなかった。
近所も被害があれこれと生じたようだ。外見から分かるのは、テレビのアンテナだ。こいつが折れたり、ひん曲がったりしているのを多く見かけた。
高槻の方はどうだっただろう。僕は職場の窓の鍵を閉め忘れたことが気になって仕方がなかったのだけど、どうやら何事もなかったようだ。
ただ、エアコンの室外機が一台倒れたそうだ。幸い、ウチの職場のエアコン室外機ではなかった。隣の管理人室の室外機だったらしい。もう少し被害が大きかったら、次はウチのところの室外機が倒れていたことだろう。
それにしても、地震、連続猛暑、今回の台風と続いたけど、「観測史上初」とか、「記録的~」とか、「かつてないほどの~」とか、「過去最大級の~」とか、そんな言葉を頻繁に聞いた夏だった。
近頃では、小さい子供を見てもかわいそうにしか思えなくなっている。この子達が大きくなるころには、生活環境がもっと厳しくなっているんだろうな、などと思うと、かわいそうになってくる。
今年の「記録的~」は、いつか記録更新されることだろう。それは来年であるかもしれないし、数年後であるかもしれない。夏はもっと暑く、台風はもっと頻繁に、規模の大きい豪雨災害や地震も増えることだろう。地球もだんだん住みにくくなるのだろうか。
夜、いつもの飲み屋に顔を出す。どことも大なり小なり被害があったようだ。保険と工事関係の人たちはこれからたいへんだ。保険会社に勤める人の話では、早速、今日から被害の視察におおわらわになっているそうだ。
それに比べれば、僕のほうは静かな一日だった。入っていたわずかの予約も変更となった。一日中、部屋にこもって、書いて、読んだだけの一日だった。
災害に限らず、事故や事件で、いつ命を落とすかもしれない。一寸先は闇なのが人の生というものだ。明日はどうなるやら誰にも分からない。一日一日を静かに生きることも幸せなことかもしれない。静かに、自分に与えられていることをこなしていく、これもまた幸いなことだと思う。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)