9月30日(日):ゲームの通知通りに
今日は台風が来るということで、電車も運休すると決まっていることから、休業することに決めた。今週は何かと多忙であったので、思わぬ休日はありがたいことであった。
ホント、地震、大雨、二度の台風と、災害続きである。災害の度に、何らかの形で人生が中断されてしまう人たちが現れてしまうのであるが、僕がこうして自分の生を続けていくことができるのは感謝しなければならない。
さて、今日、僕はある実験をしようと計画していた。
先月、アプリストアなるものを開いてみて、そこに数限りなく無料ゲーム(本当は無料ではない)があるのを知って驚いた。みんなこういうゲームをしているのだと思い、今、試みにいくつかのゲームをインストールしてプレイしている。
この種のゲームは、基本無料だけど、課金しても構わない。課金しなくてもできるのだけど、課金した方がゲームが有利に展開できるだけのことである。強制はされないけど、やたらと「売り込まれる」ものもある。
さて、この種のゲームのうち、すべてではないけど、パソコンに通知が入ってくる。僕がプレイしている都市建設ゲームでは、「収入を得る時です」とか、「賞を獲得しましょう」とか、「領地を広げる時が来ました」とか、そういう類の通知が入ってくる。
実験とはこういうことである。通知が入る度にゲームをしたらどうなるか、というものである。つまり、ゲームの通知通りにゲームをしてみるということである。
結果、およそ一時間に一度、短い場合では30分に一度、ゲームを開かなければならなくなった。朝から開始して、夜にはバカバカしくなって、と言うよりかは、しんどくなって、又は、飽き飽きして、こんな実験を放棄した。
でも、この実験から一つ学んだことがある。それはゲームのプレイ時間なんて決定できないということである。よく、ゲームは一日一時間だけにしなさいと子供に約束させる親がいるが、今のゲームはそういう基準に適合しないのだ。もちろん、すべてのゲームがそうだとは言えないのだけど、一定時間プレイするというものではなくなっているものもあるということだ。
今日の僕のプレイを見ると、例えば「利益を回収する時です」という通知が入ったら、それだけをする。そして、いくつかその資金で商店を立てたりする。そこで一旦終了する。次のことを少しだけやっておいて、次の通知が入ったら、その通知内容の処理をして、さらにその次のことを少しだけやっておく。これの連続である。もし、これを圧縮したら、今日のゲームプレイ時間は一時間に満たないかもしれない。一回一回のプレイはごく短時間である。数分のことである。でも、一時間に一度くらいそれをしなければならないのである。プレイ時間は短く、プレイ頻度が高くなるのである。
こうなると、一日一時間だけゲームをしてもよいという親の思惑は現実にそぐわなくなる。むしろ、一日に何回ゲームをしてもいいけど、一回につき10分にしなさいという指示の方が現実的であるかもしれない。もし、親がパソコンを管理しているなら、子供が要望する時にはいつでもパソコンの使用を許可していいが、短時間で親に返させる方がよいのかもしれない。
しかし、この都市建設ゲームには不親切なところがあって、商店なんかを立てるとそこから利潤が生まれるのだけど、この利益を回収しないと次の利益が生まれないシステムになっている。一日に一回だけ回収するよりも、一日に24回回収する方がゲーム展開が速やかになるのだ。その手間隙を省きたかったら、課金すればよいということになる。
一度、課金してみてどうなるのかを試してみたい気持ちもあるが、課金の仕方がよく分からない。まあ、分からないままでいいか。
こういうゲームっていうのは、僕の世代ではまずゲーセンに行かなければできないものだった。今でもゲーセンってものはあるんだろうけど、パソコンの中にゲーセンがあるようなものだ。言い換えれば、どの人もゲーセンを持ち歩いているようなものである。
目の前にたくさんのゲーム台があって、目移りしているところに、それでゲームができない(先に使用者がいる場合など)となると、けっこう腹立たしいものである。先客者が終わるまで待たなければならないのだけど、そいつが上級者だったり達人だったりすると、いつまで経っても自分の順番は回ってこないことになる。こんな経験はネットゲームではすることがない。
ゲームはすべて持ち歩くことができ、且つ、どれだけプレイすることも可能であり、且つ、順番待ちすることもないからである。自分専用のゲーム台があればと子供のときは思ったものだが、こういう形で幼児的な願望が成就されるのだろうな。
さて、くだらない話を展開した。外は雨だが、見た感じでは、暴風域から離れていっている感じがしている。今回の台風は、前回のよりかは幾分ましであったかもしれない。少なくとも、ウチには被害がないようである。
前回は、窓を少しだけ開けて、そこからタバコの先っちょだけ出して喫煙していたが、その少しの隙間から顔面に雨が叩きつけられてきたものだった。今回はそこまでひどくなかった。台風の日に困るのはタバコが吸えないことである。これもおかしな説である。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)