8月17日(金):松葉杖で外出
この二日間は家から一歩も出なかった。明日から高槻に行かなくてはいけない。仕事の準備をしておかないといけないからだ。だから、松葉杖で歩く練習をしておこうと思って、外出した。
外出した理由はもう一つある。タバコが切れたのだ。タバコの本数が増えた。患部が痛むので、どうしても欲しくなるのだ。それで吸い過ぎてしまうのだ。もちろん痛み止めの薬なんて十分に効かない。
炎天下の中、松葉杖で歩く。とても辛い。ノロノロとしか進まない。日光でジリジリ体が焼かれる。外出したことを少し後悔したりして。何度も立ち止まっては休憩して、ようやく近くのコンビニに辿り着く。いつもならすぐ歩いて行けて、何の苦もない道のりだ。ものすごく時間と体力を消耗した。
店内に入る。まあ、あのコンビニ店員の冷たいこと。松葉杖をついて、尚且つ両手に品物を持っている。声を掛けようともしない。不親切だなと思ってしまうけど、これで我が身を正そうとも思った。
レジで支払いをする。まだレジカウンターから離れる準備もできていないのに、店員は次の客を招く。マジかよと思って、いそいそとその場を後にする。
店頭に出る。そこで取り敢えず、今購入したばかりのタバコに火をつける。これから帰りの道のりが待っているのかと思うと、いささか億劫である。さて、どうしたものかなと思っていると、なんと、そこにバイト先の店長が来たではないか。
店長が僕を見て「なんで会うねん」と言う。僕は「知らんがな」と言いたかったけれど、合いの手を入れるほど余裕もない。店長も外出していて、タバコを買いに立ち寄ったそうだ。
帰り道、何度も休憩して、ようやく家に帰った。これだけでクタクタだ。明日から本当に職場に行けるのだろうか。そんな不安に襲われる。
今、僕の不安はもっぱらそこにある。予約しているクライアントに対して、僕はできるだけキャンセルしたくないと思っている。だから日曜日の予約は何としてもこなさなくてはならない。そのためには、明日のうちに準備をしておかなければならない。いや、明日、明後日だけの話ではない。その後の仕事のことも心配している。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)