8月13日:自他区別の徹底

8月13日(火):自他区別の徹底

 

 今日は本来なら定休日でお休みする日なんだけど、お盆ということもあって、それに台風が来るとか来ないとかの影響もあって、けっこう仕事が入っている。もう一日頑張ろう。明日からは少しゆっくりできる。

 

 それで今日は朝から少々バタバタと動き回ることになった。

 お昼には昨日のクライアントから、もう来ないという連絡があった。受ける受けないは本人の意志である。止めるというのなら僕は止めない。

 おそらく、このクライアントのような人が今後どうなるか、当人も母親も知っていないだろう。僕はある程度予測がついている。まあ、このタイミングで止めるのは賢明ではないな。

 そして、おそらく、今後、どの臨床家の先生とカウンセリングをやっても、この親子は同じパターンを繰り返すことだろうと思う。

 さらに、おそらく、今後の治療は前よりも短期間で終わるというパターンになるだろう。最初の先生で1年続いた。二人目の先生とは半年、三人目の先生とは3か月とか、そういう具合に期間が短くなっていく傾向が現れるだろうと思う。

 もっとも、あくまでも予測である。母親ではなく、この子供がどう動くかでそこは変わってくる部分であると思う。まあ、来なくなった人のことをあれこれ考えても仕方がない。僕は僕の受け持っている人に時間とエネルギーを割くことにしている。

 

 午後からは面接し通しである。どうにか落ち着いて仕事はできている。

 午後の最初のクライアントは、実はあまり振り返りができていなかった。こういうことは多々ある。一人の人にあまり時間が割けないということもあることだ。それでも、とりあえず面接に臨む。何とかなるものである。

 後のクライアントの一人は、実はこの人のことを考えることが多くて、今日はこの人のことで意識が占められていた。考えたことを今日言うか、それとも今後に回すかということは予め決めていない。様子を見て判断しようと思う。一応、こうではないかと僕の思うところのものを伝えてみた。けっこう、よく伝わった感じがある。良かった。

 

 来なくなるクライアントのことは残念だけど、来ている人に集中しよう。僕は僕が提供できるものを提供する。クライアントがそれで満足するか否かは僕には関係がない。むしろ、無暗に満足なんぞは与えない方が良かったりもする。受け取る受け取らないは相手に属する領域だ。受け取ったものに満足するかしないかも相手に関することだ。受け取ったものが満足できなくても、それを有効なものにしようとか、満足のいくように加工しようとか、そういう努力も相手がすることである。

 僕は徹底して自他を区別していくつもりである。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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