7月6日:バイト先の店長 

7月6日(金)バイト先の店長 

 

 先月の末からバイトを探している。何か始めたくなっているからだ。僕の中でそういう感情が湧いている。 

 バイトと言っても、本業と時間が重ならないということが絶対条件だ。それから年齢もあるし、交通手段の関係もある。それでいろいろ考えていたのだけれど、経験のあるコンビニで探してみることにした。ちょうど、一軒、近所のコンビニが募集していたので、問い合わせてみた。その時、店長が不在だったので、折り返し連絡するということだったのだけれど、一週間経っても音沙汰なしである。ここで一週間無駄にしたのが腹立たしい。 

 結局、そこはこちらからお断りで、他を探すことにした。まず、朝早く起きて、自転車を整備して、乗れるようにした。長いこと乗っていなかったから、動くかどうか心配だった。そして、自転車で通える範囲内のコンビニをすべて回ってみた。大体15軒ほど回った。そのうちの5,6軒が募集をかけていた。かつてバイトしていた古巣にも行ってみたけれど、募集はしていないようだったので、他を探す。距離的に近い所から当たろうと、近所の一軒に応募する。それで先日の火曜日に面接をしたのだ。 

 普段面接する側の僕が面接されるというのは、なんだかとても新鮮な体験だった。面接する側の対応一つで、非常に緊張したり落ち着いたりするものだと、改めて実感した。この面接の結果を金曜日、つまり、今日報告するということだった。 

 ところが、昨日、古巣の店長から電話がかかってきた。僕が訪れたということが店長の耳に入って、店長の中で何かピンとくるものがあったらしい。僕は夜勤をやろうと思っているということを伝えた。店長は、それなら今晩、飲みながら、そういう話をしようかと誘ってくれた。 

 昨夜、店長と会って、店長の考え方や、今の店の状況なども詳しく聞かせてもらった。僕は手伝いたい気分になっている。それで、面接を受けた方の店から、今日、電話がかかってきて、採用が決定したのだけれど、そちらは断ることになってしまった。向こうの店には迷惑をかけたかもしれないけれど、僕の人生なので、僕が決めるつもりだ。それに、迷惑をかけようなんて気持ちはさらさらなかったのだ。偶然、こういう成り行きになってしまっただけなのだ。でも、それはそれで、僕は嬉しかったね。この年でも、僕は雇ってもらえる人間なんだって実感できたからなんだ。 

 さて、昨夜、およそ7年ぶりくらいで店長と会った。店長もお年を召されたなという感じである。それに、人柄も穏やかになっておられた。店長も僕のことを丸くなったと感じておられたようだ。お互いに変わったということであれば、結構なことだと思う。何となくではあるけれど、店長とも今度は仲良くやっていけそうだっていう気がしている。 

 店長と会って、当時の僕自身を思い出す。20代の後半頃だ。あの頃は僕も気持ちに余裕がなかったなと思うし、随分、尖がっていたなと思う。若い頃が恥ずかしいと思うようになったのは、僕が年を取った証拠なのかもしれないな。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

 

 

 

 

関連記事

PAGE TOP