6月9日:今日のこと

6月9日(月):今日のこと

 帰宅してこれを書いている。時刻は0時を回り、日付も10日になったが、今日のことを書き残しておこう。
 まず、今日も酒に手を出すことなく一日を終えることができた。今はこれが一番大事なことだ。
 昨夜、早目に就寝したおかげか、今朝は早起きした。5時には起きて活動を開始していた。朝食を軽く採り、水を1リットルほど飲む。朝水の習慣は続いている。これは起床してから家を出るまでの間に水を1リットル飲むという僕のルールだ。
 それから本を読んで過ごす。この本のことは後で書こう。気が付くと、時間が中途半端だ。今、家を出ると確実にラッシュに巻き込まれると判断した僕は、もう少し待つことにする。
 9時に職場に着く。今日はゴミの日だったということを思い出す。出し損ねてしまった。3袋もあるけれど、次の機会に回そう。
 午前中は予約は入っていない。僕は資料整理に取り掛かった。これは今月から着手したもので、すでに着手したことを後悔しているのだが、コピー資料、雑誌記事、新聞記事などをデジタル化することにした。パソコンに入れてしまおうという計画だ。
 過去のものはもう一度見て、残しておくか破棄するかを決める。残すものに限りパソコンにスキャンする。それだけのことだが、ここに来てからの10年分をやるわけだからたいへんな量だ。
 おまけに、カセットテープ類もデジタル化して保存しようかとも考えている。これをすべてやるとなったら1000時間はかかるだろう。そう思うと恐ろしくて手が付けられない。もっと早い段階でこういうことをしておくべきだった。
 今日は雑誌記事と机の引き出しに突っ込んでおいた資料をスキャンする。もう、置くところがなくて机の引き出しなんかに無造作に放り込んだものがけっこうあるのだ。そこから手をつけている。机の中の分は、一週間で終わらせる予定だったけれど、もう2,3日かかりそうだ。
 スキャンした後、資料はすべてシュレッダーにかける。そうしてゴミ袋に捨てるのだけれど、先週一週間で3袋も出たのだ。
 この作業の目的は、身の回りのものをすっきりさせるということにある。我ながら思うのだ、モノが多すぎるなと。だから、モノを減らして、室内をもっとすっきりさせたいのだ。
 午後から面接をこなす。その後、HPの業者さんと打ち合わせをする。サイトの再構成作業も途中なのに、これにスマフォ作業も加わる。ウンザリするほどの忙しさだ。考えるだけで目の前が暗くなる。だから考えないでおこうと決める。
 夜、もう一件予定をこなす。その後、喫茶店に入り、記録と原稿を書く。帰宅の電車の中で今朝着手した本を読む。23時半頃帰宅して、軽く食事をして、これを書く。
 今日、読み始めた本は『澁澤龍彦集成第6巻』で、この本はこの中に収録されているユイスマンの『さかしま』を読みたいがために古書店で購入したものだ。まだ、読んでいなかったので読もうと思ったのだが、何がどう間違ったのか、ユイスマンではなく、同書収録のポーリーヌ・レアージュ作『O嬢の物語』を読み始めてしまったのだ。ところが、これが面白い。止まらなくなってしまった。
 この『O嬢の物語』は、タイトルこそ知っていたけれど、実際に読んだことはなかった。フランスのSM小説くらいにしか捉えていなかったけれど、けっこう、奥が深い。いや、確かにSMのような描写にあふれているけれど、それだけではないというのが、今現時点における僕の印象だ。
 何にそんなに感銘を受けているのかと言うと、O嬢と恋人のルネとの関係の在り方である。SとMとか、主人と奴隷というような関係ではなく、ここにあるのは部分的対象関係なのだ。相手は一個の人格ではなく、自己の一部であり、自分の所有物のような存在であり、そのような対象としてのみお互いに関わりあうことができるという関係だ。こういう関係の在り方の描写が秀逸である。
 例えば、ルネは恋人であるO嬢を他の男たちに引き渡す。その後で、ルネは語る。「ぼくがきみを他人に与えたという事実は、ぼくにとって、きみがぼくのものであるということの一つの証拠であり、きみにとってもそうでなければならないはずだ。自分のものでなければどうして他人に与えることができよう。ぼくがきみを他人の手に与えるのは、他人の手からきみをただちに取りもどすためであり、そして取りもどされたきみは、ぼくの目には、以前よりも豊かになっているのだ」(p250)と。うーむ、とてもシゾイド的だ。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

(付記)
 デジタル化に着手した頃か。今はその作業はお休みしている。また始めてもいいなとは思う。忙しさの点では、今も変わらない。まあ、のんびりやっていくかという呑気さは当時はあまりなかったかもしれない。それと『O嬢の物語』だ。これはもう一度読みたいリストの中に入っている本だ。もちろん、僕の心の中にあるリストだ。再読してみようかな。
(平成29年1月)

 

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