6月19日:タバコの話
昨日の夕方から今日の午前中まで、およそ18時間くらいタバコを吸わなかった。まあ、その間に就眠時間を挟んでいるので、実質的な禁煙は12,3時間といったところか。
それでも、変化はある。十数時間程度では禁煙したうちに入らないというのが、恐らく、世間一般的な見解ではないかと思う。最低でも三日はしないとって言う人も僕は知っている。それは確かにそうだ。
別に禁煙を始めようと思って、これをしたのではない。たまたまタバコを切らして、買わずに過ごしたというだけのことだ。タバコを買いに行く気力も昨日はなかった。徹夜明けで、警察に行くわ、図書館に行くわ、バイト先に寄るわで、まったく寝ていなかったのだ。夕方になって、とにかく帰って一睡しないとっていう意識しかなかった。
それはさておき、毎回、人間の体は速やかに回復を目指すものだなということを僕は感じる。たった半日でもタバコを吸わないでいると、咽喉の調子はましになる。声が出しやすく感じられるし、呼吸も楽で、空気の通りが良くなったように感じられる。僕の個人的感想に過ぎないけれど、実際、そうなのだ。半日程度吸わないということは、僕の場合、よくあることで、毎回、それを実感する。
今朝、喫煙したのは、結局、考え事をしていて、欲しくなったということに過ぎない。眠たい時や考え事をしている時は特に欲しくなる。
それにしても、タバコを吸っていると白い目で見られることもあるのだけれど、あれは勘弁して欲しいね。喫煙場所で吸っているにも関わらず、そういう目で見られたりする。喫煙自体は何も法律違反ではないのだ。あるのはマナー違反だけのことだ。
タバコを吸わない人からすれば、あるいは無理してタバコを止めたという人にすれば、喫煙とはひどい行為だということになるだろう。でも、そこにはその人たちのスケープゴート感情が混じっていないと言えるだろうか。スケープゴート感情とは、誰かを悪者にしたいという感情のことだ。誰かを悪者にすることで、自分の正義が確立されるわけだ。そのような脆い正義にすがりついているだけなのだけれど、これをする人は本当に多い。
ネットの世界は、僕から見れば、そういう感情で満ち溢れているように思うね。誰かを悪者にして、弾劾せずにはいられないというような人がすごく多いのだなという感じを覚えてしまう。まあ、一人一人の書き手のことを僕は知らないので、これもまた僕の勝手な思い込みかもしれないし、僕のスケープゴート感情の発露かもしれないけれど。でも、僕は人間にそういうことをしてしまう感情があるということを知っているだけましだと自負している。
社会が良くならないとか戦争が絶えないとか、いろんな問題が世界にはある。社会や国が良くならないのは政治家のせいだと主張する人たちも多い。確かに政治家にも問題はあろう。一方で、政治家をそういう形でスケープゴートしていないかという反省も個々人でするべきだろうとも僕は思う。
僕はこう考えている。一人一人の中には愛情や建設性があり、同時に憎悪や破壊性をも有している。それぞれの人が自分の中にどのようなものを抱えているかを知ることはとても大切なことだ。そして、愛情を伸ばし、憎悪を適切で望ましいものに水路づけていく方向を見出すべきだと。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)