5月31日:矛盾の結合 

5月31日:矛盾の結合 

 

 今日も日中はパソコンを触らずに過ごす。パソコンがあると、サイト作業に追われるようになるし、ネットを見てしまうこともある。それらは僕の生活から余裕を奪う。パソコンがないと、他に多くのことができるということに、改めて思い至る。 

 面接を少しこなし、あとはひたすら勉強なり記録作成なりをしていた。 

 サリヴァンのあまり長くない論文を二つ読む。 

アイラ・レヴィン『この完全なる時代』読み終える。すごく面白かった。 

 『鎖につながれた巨人』第1章読む。これは哲学系、社会学系の本だが、レヴィンの小説から触発されて読んだ。継続して読むかどうか今のところ定かではない。 

 今日と、昨日来られたクライアントの記録を手書きで作成する。手は疲れるけど、手書きもいいものだ。 

 

 現在来られているクライアントの録音を聞き直す。この人のことで頭が占められることが多い。ある場面でのその人の態度と別の場面でのそれとがひどく正反対なのだ。前者は適応的と見做され、後者が不適応とされていて、後者のためにカウンセリングに来られているのだが、この態度の矛盾を考えていけばいくほど、前者の方が不健全であり、後者の方がより健全なのである。しかし、その人は後者の方をなんとかしたいと熱望しておられるのだ。 

 また、矛盾した態度、正反対の言動が一人の人間に見られる時、表面的にみればおかしく見えるかもしれないが、本人の中では統一されていて、不自然でも違和感もないことが多い。それは、相反する二つの態度が、ある何かで結びついていたりするからだ。態度Aと態度Bは互いに矛盾し、一見すると正反対だが、結合要素Xから見れば、AとBは互いに矛盾するものではないということだ。 

 このXに当たる部分が何なのか。その人のこれまでの面接を再聴して、何か見えてこないかと期待しているわけだ。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

 

 

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