5月30日:健全な計画 

5月30日:健全な計画 

 

 今の生活に不満があって、僕は日々を改めようと決めた。パソコン作業は夜帰宅してからすること、職場ではパソコンなしで過ごすことを始める。 

 今朝起きて、夢のことを書いた。それから職場に行き、朝一番のクライアントに備える。午後と夕方のクライアントの合間に高槻の某古本屋を覗きに行く。ついつい本を買ってしまう。1400円のところを1000円にまけてくれた。あの店のおばちゃんとも顔見知りになって、そういうことをしてくれるようになった。まあ、見ていると、それは僕だけではないようだけど。でも、そうしたちょっとしたことが嬉しいと思える。 

 友達のメールに返事を送る。携帯も一日に一回だけ開く。そんなことで時間を費やせない。 

 昨日の留守電の人と連絡が取れる。すれ違いばかりだったが、どうにか今日中に連絡がついたのは良かった。 

 お昼はうどんを湯がいて、つゆをぶっかけて食する。本を読みながら調理し、食べる。 

 面接の記録は手書きでする。手書きの良さは、静かだという点にある。個々のクライアントを思い浮かべながら記録を書くのいいものだ。一人だけ、録音した面接を聴きながら書いた。その人のことが今はとても気になっているからだ。 

 今日から6月いっぱいをかけて、サリヴァンを勉強しなおそうと思う。今日は、空いた時間を使って、少しずつ読み進めていったが、けっこう長めの論文を一つ読み切る。「分裂病の思考の奇妙性」といったタイトルの論文だ。一部難解だが、なかなか為になる。 

 ミステリ系としては、純粋なミステリではなく、分類としてはSFになるのだけれど、アイラ・レヴィンの『この完全なる時代』を読み始める。こちらも100ページ近く読み終えた。個人番号制のことを聞いて、この作品のことを思い出した。実家の本箱を漁ると、嬉しいことに残っていた。 

 あと、アイデンティティ拡散状態について、調べ物をした。あるクライアントにそれをどう伝えたらよいかで悩んでいた。何か上手い表現に出くわさないかと、いろいろな文献を当たってみた。まあまあいい表現に遭遇し、メモに残しておく。 

 なかなか充実した一日だったのではないかと思う。酒も飲まなかったし、ダラダラ休憩することもなかった。ただ、運動不足と食生活の乱れだけはどうにもならんかったけれど。それとピアノの練習もしてなかったな。ほどほどに充実していたといったところか。 

 

 酒と言えば、一昨日の夜、道端で嘔吐したのに、昨日は昨日でお酒が普通に飲めた。暑かったからと屁理屈を言ってはビールを飲んだけれど、体は全然平気だった。あの嘔吐は一体何だったのだろうと今でも思う。今日も、理由をつけて飲むところだったけれど、帰宅して原稿を書こうと決めていたから、それに従って真っ直ぐ帰宅した。 

 僕の中で決めていることがある。それは、健康な状態の時に立てた計画に従えというルールである。今晩、計画を変更して呑もうかなという気持ちの時と、真っ直ぐ家に帰ってパソコン作業をすると決めた時と、どちらの僕がより精神的に健康だっただろうかと振り返り、より健康な状態で立てた計画ないし計画変更に従おうということだ。この場合、真っ直ぐ帰宅すると決めた時の僕の方がより健全だったと思うから、それに従ったまでのことだ。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

関連記事

PAGE TOP