5月2日:「何かを探す子の夢」

5月2日(火):「何かを探す子の夢」

 

 不思議な夢を見た。記録しておこう。

 

(夢)「何かを探す子の夢」

 僕は一団のメンバーだった。みんなカウンセリングに携わっている人たちだ。どういうわけか僕が新参者であるらしい。ビルの中で仕事をしているが、わからないところがたくさんあった。

 一人の女性が僕の面倒をよく見てくれていた。わからないことなんかを僕に教えてくれる。

 会議室のような場所。机と椅子が向き合って並んでいる。僕の正面にその女性が座っている。一人の男性が発言している。その男性は自分が戦場でどれだけ活躍したかということをさも自慢気に話している。僕は無性に腹が立ってきて、「戦争の話をそんなに笑って話すのはおかしい」と思わず言ってしまった。男性の表情が強張ったように見えた。その上、場の空気が凍り付いたように感じた。

 僕の面倒をみてくれる女性が僕のところにやってきて、あの男性はここのお偉いさんだと教えてくれた。そんなことを言われても言ってしまったものはどうしようもないので、僕は「そんなもん知るか」とだけ答えた。

 その後、人が出入りする。会議室といってもみんな自由に談話している感じだ。先ほどの女性が入口のところに佇んでいる子を見つけ、あの子は僕に用事があって来ているのではないかと教えてくれる。見ると、僕のクライアント(ということになっている)だった。僕はその子のところへ行く。その子も僕に会いに来たという。

 この子であるが、男の子とも女の子とも見分けがつかない。子と呼んでいるけれど、見た目は中学生くらいの感じであった。

 この子が話をしたいと言うので、話ができる場所はないかと女性に尋ねる。女性は僕たちを教室のような部屋に連れていく。授業とかをしていないので、今は空いているからということだった。僕はここにこんな教室があるのを初めて知った。

 そこで僕とその子は話をする。ここからどういういきさつがあったのか不明瞭なのだけれど、僕たちは外に出る。

 町中を歩いている。夕暮れ時みたいな感じだ。その子が前を歩いていて、僕がその後ろを歩いている。前後に並んで歩いている。その子は何かを探しに行くようだ。僕はその場所を知らないので、この子の後についていく感じだった。

 途中、この辺りがこんなに賑やかなのは意外だ、というようなことをこの子が言う。僕は、そうだね、この辺りは賑やかで人が多いねなどと答えている。

 この子は何かを探しているのだけれど、それがどうしても見当たらない。どこかに埋めたそうだけれど、その埋めた場所が思い出せないと言う。だんだん、この子の焦燥感が激しくなってきて、最後には道端で錯乱する。頭を掻きむしり、地べたを転がりまわる。僕はその子を宥めようとする。この子はもうだめだと絶望して、泣きじゃくる。転がりまわったので顔中泥だらけだ。僕は抱きかかえて顔の泥を拭ってやる。

 その時、この子が思い出したと言う。あそこの花壇に埋めたのだと。この子は埋めたその場所まで来ておきながらそこがわからなかったのだ。この子はもうだめだと、もうそこを掘り起こす力がないと嘆く。僕は言う。もういいんだ、と、諦めていいんだよ、と。この子はしきりに僕に謝る。僕は何も怒っていないことを何度もこの子に伝える。最後はこの子が力尽きたようにぐったりとなった。

 

 以上が夢だ。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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