５月１８日（水）：誤振込４６００万円
山口県の某役所で４６００万円の誤振込があったそうだ。これは１００人分の補助金・給付金ということであるらしいが、それを一人の人の口座に全額振り込んでしまったということらしい。そして、振り込まれた２４歳の男性は４６００万円をすべてネットカジノで費やしたということらしい。
ワイドショーなどでは、この２４歳の男性のこと、お金の回収のこと、町長の怒りなどが報道されていた。それはそれで興味がある。でも、僕が一番興味を持っているのは、振り込んだ職員である。
その男性に全額振り込んでしまった職員に僕は尋ねたいのだ。「ひょっとして、一番お金をあげたくないと思う人に振り込んでしまったんちゃうか」って。もし、そうなら無意識的敵意の恐ろしいところである。
振り込まれた２４歳男性はどう思ったのだろうか。身に覚えのないお金が４６００万円も振り込まれていたら、僕だったら最初に驚愕して、次に恐怖感に襲われるかもしれないな。どういう種類のお金か分からないからだ。やばいカネだったらどうしようなどと思ってしまうかもしれない。
この男性はそれを平気で使ったのだろうか。これだけは言っておきたいのだけれど、それができるのは、この男性の肝っ玉が座ってるとかいうことではなくて、感情のマヒによるものである。僕にはかなり病的な人間に見えている。
もし、この男性がもう少しまともなのであれば、この男性にこうするようにと教示した人間がいるのかもしれない。彼はその人物の言うとおりに動いたということになるからだ。それでも彼の病理が軽いというわけではない。
それよりも、給付金・補助金を受け取れることになっていた他の人たちはどうなるのだろう。その人たちには早急にお金が必要であるかもしれないのに、回収してからでないと支給できないってことになるのだろうか。
そうなると、１００人分を独り占めしたということは、この一人が残りの９９人を見殺しにしたということにならないだろうか。この一人の罪は相当重い。単なる横領では済まなくなる。
ネットカジノで使ったと供述しているのだけれど、まあ、これはどこまで本当なのかわからない。もし本当なら、そのカジノはかなり違法なやつではないかという気もしてくる。また、そういうのに手を出しそうな人物であるようにも僕は思うのだ。
まあ、僕があれこれ言ってもしょうがないか。一人のバカッターが商店や企業を潰す世の中になっているのだ。一人の違法な人物によって９９人が見殺しにされるなんて、もう驚かなくなっているんだろう。
しかし、カネはあるところにはあるんだなと思った次第である。
（寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー）
