4月4日:書籍原稿 

4月4日(木)書籍原稿 

 

 僕には今、一つの目標がある。それは僕の電子書籍を作ることだ。 

 業者が電子書籍の案件を持ってきた時、正直に言って、僕はそういう領域があるのを知らなかったのだ。いや、漠然とは電子書籍のことは知っていたけれど、僕がそういう方面に関われるとは信じていなかったのだ。 

 その業者の案件の拙い点は、電子書籍そのものではなくて、何を電子書籍にするかという部分だ。僕の以前のブログをまとめて電子書籍にしようという案だったのだ。おまけに、僕自身はびた一文出資しなくてもいい代わりに、利益配分がかなり不公平だ。それも難点の一つだった。 

 今回、僕は電子書籍用に新たに原稿を書くことにした。この書籍のテーマは「うつ病」だ。はっきり言って、今は「うつ病」について書く気がしないのだけれど、業者はまず「うつ病」のテーマで打ち出しましょうと提案しているので、気乗りしないけれど、それに従うことにした。 

 

 「うつ病」よりも、僕が今一番書きたいと思っているのは「境界例」と「人格障害」だ。僕は二冊目をこのテーマで書こうと決めている。そして、その後に「愛と憎悪」のテーマで書きたいと思っている。 

 最後の「愛と憎悪」は僕にとって永遠のテーマだ。人はどのようにして憎しみから解放されるのか、それを僕なりに考察したいし、考えたことをまとめたいと思っているのだ。 

 「うつ病」はこのサイトでも一部公開している。「愛と憎悪」は「怒り・敵意・憎悪」としてその一部は公開している。「境界例」や「人格障害」は、旧サイトでは取り上げていたけれど、本サイトでは間接的に随所で触れられているに過ぎない。 

 

 ちなみに、僕は「境界例」の人たちが好きだ。とても魅力を感じる。ただ、カウンセリングをするとなると、ものすごくエネルギーを使う人たちだ。だから、あまり一度にたくさんの「境界例」を抱えたくないという気持ちがある。それで本サイトでは「境界例」の項目を特に設けないようにしてきたのだ。電子書籍にして、興味のある人にだけ読んでもらえて、読んだ人の一部の人が会いに来てくれたらいいと願う。 

 

 「憎悪」の問題は、さっきも述べたように、僕には永遠のテーマだ。クライアントの持ち込む問題がどんなものであれ、必ずクライアントは何かを憎んでいるのだ。何らかの憎しみに行きつくのだ。彼らは(私やあなたも含めて)何かを、あるいは誰かを、どうしても許せない気持ち、許したくない気持ちで苦しんでいるのだ。その人を苦しめるのはそうした憎悪感情だと僕は思う。これが根本にある苦悩であって、外側に現れた問題はそんなに重要でない場合も多い。 

 

 まだ一冊目もできていないのに、僕の中では三冊の書籍の件が同時進行しているわけだ。いささか先取りしすぎじゃないかと言われそうだ。でも、いつか出版できるように、今は常に原稿を書いている。そして、そんなことをしている時が、今の僕にはとても幸せに感じられている。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

 

 

 

 

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