4月21日(金):<夢>「オープン前のブースの夢」
(夢)
遊園地のような場所。僕はそこで働いている。他に二人の同僚がいる。三人一組で、施設内のさまざまなところを回る。設備の点検をしたり、店舗の視察をしたりする。施設内を一周するジェットコースターのような乗り物があり、それは文字通り施設内を巡る。地下にまで線路が引かれているくらいだ。それがとても人気があるらしく、それに乗ろうと多くの人が列を成していた。僕は仲間の二人に、あれのどこがそんなに人気があるんだろうね、ということを訊いた。彼らの話では、乗客はケーキを渡されて、ジェットコースターに乗りながら、それを上手に食べるっていうチャレンジがウケているのだろうとのことだった。僕はおかしなものが流行るものだと思った。その後、出店ブースを僕たちは回り、これからオープンする屋台のようなブースをチェックした。物が揃っているか、場所は適切かなど、チェックし、オープンの準備も少し手伝った。
(連想と感想)
遊園地という場所。僕は好きではない。賑やかなところは苦手である。それに子供の世界というニュアンスを感じる。その苦手な場所で僕は働いていることになる。
二人の同僚は、ともに男性で、かつて一緒に働いたことのあるバイト仲間に似ていた。三人一組というのは、三位一体を思い出させる。3という数字は、そういう意味で、完全な数字、バランスのとれた数字ということを連想する。また、3人という言葉からは、家族成員、ないしは社会的関係ということを思い浮かべる。
施設内を一周するジェットコースター。ジェットコースターのような乗り物は好きではない。それが文字通り施設内を一周する。地下の階まで走る。そのため、施設内の至る所にそれの線路が引かれている。施設を人体だとすれば、まるで血管のよう。
僕の質問。日頃から行列を成している人たちを見て思うことだ。僕は流行や時代の流れに対して冷ややかなところがある。そして、僕には理解できないことに対しての僕の典型的な感情、態度でもある。
ジェットコースターに乗りながら、ケーキを上手に食べられるかという企画らしく、それにチャレンジする人が多いという説明を僕は受ける。それに対して、おかしなものが流行るものだと思っているが、やはり冷めた目で見ている。
その間に何らかの場面があったかもしれないのだけど忘却してしまっている。その後、オープン前のブースのチェックに入る。ここはアンバランスなものを感じる。と言うのは、遊園地はオープンしていて賑やかであり、ジェットコースターのところには列ができているくらいなのに、お店が開いていないという状態であるからだ。全体が稼動している中で、一店舗だけそれに適合していない、全体の状況にそぐわない。
夢の意味なんて、本当は誰にも分からないものである。ただ、夢について考えたり、連想を働かせたりすることができるだけである。
現時点で僕が一番印象に残っているのは、最後の開店前のブースの場面だ。そこだけが稼動していないのだ。施設(これが何を意味しているのかは置いておいて)の中で、その一店舗だけが動いていない。動いていないのはその一箇所のみだ。このバランスに僕は救いを覚えた。全体は概ね稼動しているのだ。わずか一店舗が稼動すれば、すべてが動くことになるのだ。あともう少しという感じがする。
遊園地という施設は、僕の偏見であるとしても、どうしても子供のためのものだという見解を有している。ここは子供の世界だ。この子供の世界において、僕はそこに適応しているのではなく、チェックや点検という形で参加している。決して子供の立場で参加していないのだ。
子供の立場で参加しているのは、ジェットコースターの乗客たちである。僕は彼らに冷ややかな態度を向けている。彼らのやっていることが理解できないということを言っているわけだが、子供の世界からひどく距離をとっている自分を感じる。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)