4月19日:今日は休みだ 

4月19日(火):今日は休みだ 

 

 今日は休みだ。 

 午前中はサイトの原稿を書いて過ごす。その他、家のことをいくらかする。 

 天気がいいのでどこか歩きに行きたい気分だった。一日中、家に籠っていようかと計画していたけれど、何となくもったいない。それで、目的もなく、外に出る。 

 ポカポカと気持ちのいい日だ。山に登りたくなる気分だ。 

 しばらく近所を散歩する。これからどこに行こうかと、いろいろ考える。 

 いろいろ考えた挙句、行きたいと思うところがない。もうお昼を過ぎている。今から遠くへ行くのも億劫だし、山に登るには時間が遅すぎる。結局、高槻に出て、職場で過ごすことになった。 

 3,4時間、本を読んだり、勉強して、室内の整頓を一部こなして、帰宅する。 

 やっぱり心残りがあるのか、少し歩こうと思う。上牧まで歩いた。 

 

 一つ、思ったことがあった。太ると、距離感が現実以上に過大評価されるということだ。高槻から上牧まで、実際は5キロくらいだ。過去には何回も歩いたことがある道のりだが、今日はいざ歩こうと思うと、10キロくらいの距離感を覚えていた。 

 過去に太った女性と一緒に歩いたことがある。それほど遠く離れているわけでもない目的地までを一緒に歩いた。僕には大した距離ではなかったけど、彼女は「ああ、今日はめちゃ歩いた」と言った。 

 当時は、彼女が太っているからたいへんだったのだろうと単純にそう信じていた。でも、彼女は本当にそれを長距離として把握していたのだと思う。 

 さて、上牧までの5キロの歩行。歩く前は遠いなと感じられていたけれど、実際、歩くと、それほどのことでもなかった。これからはもっと歩いてもいいなとさえ思った。 

 

 夕方に帰宅できる。そういう生活に憧れる。夕暮れの風景を見て、しみじみとそう感じた。 

 

 帰宅して、テレビを見る。「やさしい~」のクイズ番組をやっているのを知り、見ることにした。今日は特番で2時間もある。 

 この番組というか、クイズで取り上げられる実例は、僕には特に優しいとは感じられない。優しいよりも知恵の方を感じる。ウンザリ来るときもある。優しさをやたらと押し付けられているようで。 

 それはともかくとして、揚げパンが普通に小学校の給食で出ていたなんて、初めて知った。僕の小学校ではそんなのなかったように記憶しているから。以前、飲み友達ともそういう話になって、小学校時代の給食のことを話し合った。卒業して30年以上を経て、初めて、僕の通っていた小学校の給食がけっこうお粗末だったことを知った。そのことを再確認したような感じだ。 

 ペットが同宿できる温泉旅館は、優しいというよりも、ターゲットを絞った戦略のようにしか思えなかった。優しいとは思えなかったな。僕がペットを飼っていないので、僕には分からない部分もあるだろう。 

 優しかったのは最後の夫婦の話くらいではなかろうか。あとは微妙なものばかりだ。 

 

 あまり有益でもない休日を過ごしたという感じしかしない。一番の収穫はG・K・チェスタトン『ポンド氏の逆説』くらいだ。帰りの電車の中で読んだが、けっこう、面白かった。 

 チェスタトンは好きな作家の一人だ。その風変わりな推理小説は一読忘れがたい印象を残す。この本は、ずいぶん前に古本屋でたたき売りされていたのを格安で購入したものだ。 

 買ったのはいいけど、いつか読もうということで、ずっと職場の書架に突っ込んだままだった。今日、たまたま目に留まって、いつか読もうと思っていたことを思い出し、いつかではなく、今すぐ読もうということで読み始めたのだった。まだ、全部読んだわけじゃないけど、今の時点で、ものすごく安い買い物をしたという気がしている。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

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