3月8日(木):ロ・テストを再び
今日は比較的穏やかに過ごせた日である。ほどほどに仕事もあり、他の作業にも手を付けることができている。いくつかは明日へ持ち込みになりそうだが、それはそれで構わない。明日すればいいことである。
昨日まで連日でYさんと会って、Yさんのことで色々考えていた。このブログでもその話題でもちきりだった感じがしている。そう言えば、ここ数日ブログの公開をしていなかったのではないか。いけないことだ。今日も忘れてしまった。明日、一気に公開することになりそうだ。
仕事に関しては、今日はいいこともあった、今日来られたクライアントの一人が、初めて夢を報告されたのである。困ったことに、面接が終了して、クライアントの帰り間際にこういう夢を見たと報告されたのである。僕はもっとその夢を取り上げたかった。と言うのは、少し聞いた限りでも、その夢はクライアントが自分自身に取り組み始めていることを示す夢のように思われたからである。自身の内面に飛び込み始めた夢だという第一印象を僕は受けたのだ。ああ、もう少し詳しく聞いてみたかった。
それと、心理テストをもう一度勉強したくなって、ロールシャッハを再び勉強し始めた。ロールシャッハテストには厄介なところがあって、いくつかの流派があるということである。クロッパー法が日本では一般的だったのであるが、その日本においても、片口式や阪大式などで、多少の違いがあったりする。クロッパー以外では、エクスナー式が普及し始めているという感じがする。また、ラパポートやベックなど、ロールシャッハ研究の大家は独自の記号を用いたりするので、人によって様々である。どれか一つのやり方に精通すれば他の見解も自然に理解できるものだろうとは思うのであるが、一体、どこに基礎を置いたらいいのかで、けっこう悩むものである。
僕は初めはエクスナー式を学んだ。それからクロッパー法に基づく片口式を身に付けた。本当はエクスナー式でやっていきたかったのだけれど、当時は文献も少なくて、勉強するとなるとどうしてもエクスナー以前のものにならざるを得なかったのだ。
専門的な話になって申し訳なく思う。恐らく読んでも何のことやら分からないだろうと思う。それぞれのやり方には魅力がある。Wの質をコードする(ラパポート)ことも魅力であるし、運動反応に積極的と消極的を区別する(エクスナー式)も魅力である。反射反応よりもペア反応の方が分かりやすいし、WカットはDと見做した方が正しいかもしれない。それならばいろんな立場の人のコードを用いて、独自のスコアリングをしてもいいのであるが、それでは今度はあまりに煩雑な作業になってしまう。悩むところである。
心理テストを頻りに勉強した時期もあった。しかし、テスト結果は必ずしもその人のすべてを教えてくれるものではないし、各テストには限界も弱点もあるものである。それにテスト結果があると、それに惑わされてしまいそうにも思う。だから、僕は途中から心理テストにはあまり重きを置かなくなったのである。でも、基本的な考え方は変わっていないのだけれど、こういう心理テストに精通していることは、臨床家にとっては武器である。今の僕は何かそういうものを身に付けたくなっているようだ。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)