3月8日:DVDの特典

3月8日(木)DVD特典

 

 今日はもう一つ。午後から空き時間があった。二時間ほど時間があるので、パソコンでDVDを鑑賞した。前回も書いた「007私を愛したスパイ」である。副音声で、主演のロジャー・ムーアが解説しているのを聞きながら観た。こういう副音声の特典は嬉しくなる。何かと勉強になることや教えられることも多いからだ。そのいくつかを書いておこう。

 悪役もまたヒーローだと言うのは頷ける。悪役は自分では善だと信じている。だからその言動はヒーローのものと共通だというわけである。ジョーズの振る舞いはボンドのそれと同じである。僕がなぜ悪役に魅力を感じるのか納得した感じがした。

 それと、撮影のタイミングが合わなくて、出演依頼を断った時に、「演じていない俳優は俳優ではない」というように叱られたと話しておられる。仕事というか、職業的アイデンティティに徹しなければいけないと教えられているかのように僕は感じた。そして、もし二つの依頼が重なったなら、ギャラの高い方を選択しろと教えられたそうである。僕は目からウロコが落ちるような思いをした。僕はその教えを今では理解できる。少し前なら理解できなかったかもしれない。ギャラの高い方を取るというのは、別に賤しい考え方でもなければ、人間臭い考え方でもないのである。僕の考えでは、高いギャラの仕事を引き受けると、次もまた高額の仕事が舞い込んでくるからその方が望ましいということである。安い仕事を引き受けると、次から安い仕事しか回って来なくなるからである。映画の場合、ギャラが高額だと言うことは、その映画はヒットを見込んでいるということである。ヒットする映画に出れば、知名度が上がるし、観客や映画関係者などいろんな人に見てもらえる機会がそれだけ大きくなる。だから次の仕事へとつながって行く可能性があるということだ。僕はそのように捉えた。

 そして、僕が一番感心したのは次の事である。演劇学校では椅子の座り方とかドアの開け閉めや、そういう時のセリフを言うタイミングなどをしっかり学んだということである。そして、こういう何気ない演技が、この業界でやっていくためにはすごく必要で役に立ったということを話しておられる。本当にその通りだと、僕は思った。能力や才能の有る無しよりも、そういう何気ないことができるかできないかで、人の運命って変わってしまうのかもしれない。

 この007シリーズのDVDは、しつこいくらいに特典がついているのが特徴的である。今回はロジャー・ムーアの副音声で観たが、監督やスタッフによる副音声の特典もついている。今度はそちらを聴いてみよう。こういう特典は面白い。映画の裏話や、映画がどうやって作られていったかを知ることもできる。そして、映画云々を超えて、教えられることもたくさんある。何かを学んだり、気づいたり、教えられたりということは、本当に愉しいことである。

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー

 

 

 

 

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