3月4日:セクハラ発言問題 

3月4日(水):セクハラ発言問題 

 

 朝、これを書いている。昨夜はサイトの更新・改定作業を夜通しやって、一睡もしていない。まあ、昨日は朝寝をしたから全然平気なのだが。 

 

 読売新聞に「言葉のセクハラどう防ぐ」という記事があった。僕は常々この問題に疑問を抱いていた。明らかにセクハラ発言と分かるものは別としても、そんなのもセクハラに該当するのかというものもある。そしてこの種の記事はその発言者に意識改革を求めるような主旨のものが多いと思う。 

 それはそれで正しいとは思うけど、僕は言われる側の方もあまりに無防備だという感じを受けている。 

 今、僕の周りに10人の人がいるとする。そのうちの3人くらいは僕のことを快く思わないはずなのだ。僕はその人たちと上手く付き合う工夫をしなければならない。嫌がらせを受けるかもしれないし、そのための準備と防備を考えておかなくてはならない。 

 全員から暖かく迎え入れてもらえるなんてそんな期待する方が間違っていると僕は思う。中には快く思ってくれない人もあるだろうから、必要な防備はしておくにこしたことがないと思っているわけだ。 

 

例えば「結婚した方がいいんじゃない」発言がある。立派なアドバイスだと思うのだが、これはセクハラに当たるそうだ。僕なんか何人の人からそれを言われたことか。 

 そこで僕はくそ真面目にこう答えることにしている。「いやあ、自分は結婚できるほど成熟しているとは自分でも思えないのです」と。言った人は驚く。まさかこんなヘヴィーな返答が来るとは予期していなかったのだろう、そうなると、その人たちは次からそういうことを言ってこなくなる。 

 

 もし、部長がいやらしい話を延々とするのであれば、いちいち傷ついたり不快になったりしないで、それとなくやり返してもいいと思う。「部長、愉しそうですわね。でも、楽しんでいるのは部長だけで、わたしはなんも楽しめませんわ。もっと部下を楽しませるようでならなくちゃ慕われませんわよ」とでも返せばいい。それで部長の嫌がらせがエスカレートするなら、それこそ全面戦争を展開していけばいいと思う。 

 

 職場ならストイックにやるのも一つの手だ。「わたしは仕事をしに来ているので、部長のお話にお付き合いするお義理はございません」と返してもいい。もっとコミュニケーションを取らないといけないなんて部長から言われたら、「あら、それは誰にとってのコミュニケーションですの」と返してもいいだろうし、「ええ、仕事に必要なことのみに致しますわ」と答えてもいいと思う。 

 

 そこで部長が腹を立てる。嫌がらせが大きくなる。僕ならこのようにする。社長にそれを報告する。そして部長に改善が見られないなら、その都度社長に報告する。そうして社長と部長のケンカに持っていく。ズルいやり方だけれど、一番正当な手段だと僕は思っている。 

 

 まあ、やり方はいろいろあるだろうけれど、セクハラ、モラハラする方が悪いと言うだけでなく、また自分はそういうものを受けることがないとも決めつけず、むしろ、いつ如何なる形でセクハラ、モラハラに直面するかもしれないから、そのために日頃から考え、準備しておこうという姿勢を持つことも大切ではないかと、そう僕は思うのだ。 

 

 そう言えば、先月、兄がまた転職した。長続きしない兄だ。今度の転職の理由が職場でモラハラを受けたということらしい。 

 しかしだな、そこは職人さんが大勢いる職場なのだ。職人の世界なんてモラハラのオンパレードじゃないかと思う。そこに飛び込んで行ったのだから、モラハラの一つや二つ、傷の百や二百は受ける覚悟が要ったのではないかと思うのだ。 

 結局、兄は、自分がどこに行っても、誰からも100%無条件に暖かく迎え入れてもらえるなんて、そんな甘い期待をしていたんとちゃうかと、僕はそう思うている。そんな期待をする方が間違っていると僕は思うのだが。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

(付記) 

 セクハラ、モラハラ、アルハラなど、その種の話は今でも多い。適当にあしらっておけばいい場面だってあると思うのだ。ハラスメントを受ける側の防衛力を高めておくことも必要ではないかと、今でもその考えは変わっていない。 

(平成29年4月) 

 

 

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