3月25日:「駅へと向かう夢」 

3月25日(水):「駅へと向かう夢」 

 

(夢)「駅へと向かう夢」 

 女性のクライアントからお金をいただいた。彼女は12回分として72000円支払った。大切なお金だと思い、部屋に戻る。部屋には5,6人の先輩がいた。彼らは僕の持っているお金にたかってくる。僕は、あなたたちこそ後輩に奢れよと言ってやった。 

 僕はお金を鞄にしまうと、鞄に付ける鍵が要るなと思い、用意する。 

 それから僕は外に出る。果樹園のようなところを歩いた。ブドウか何かが実っていて、果実に頭がぶつからないように僕は身を屈めながら歩いた。 

 道路に出て、歩道を歩く。雨が降り始める。僕は傘を持っていなかった。僕はどこかでお酒を呑もうかと思ったけれど、雨だから億劫だと、止める。 

 高校生くらいの一団が走っている。陸上部だろうかと思う。こんな雨の中をずぶ濡れになって走っている。男子も女子もどちらもいたように思う。 

 道路を横断するため、信号を待つ。一団はそのまま走り去っていく。信号が変わり、道路を横断する。そこが駅だった。改札へ上がる階段を僕は上り始めた。 

 

(連想と感想) 

 何かと展開の多い夢で、多くのものが登場する。 

 夢の中の女性クライアントは特定の誰というわけではない。現実に、今、僕の頭を悩ませている女性クライアントが何人かいて、その人たちのことが普段から頭に離れない。 

 12回分で72000円というのは、面接料に関して葛藤があって、僕は一回ごとにやっているけれど、こういう数回分を前払いでというやり方もありだと思っている。しかし、夢では葛藤なく受け取っている。 

 1回で12回分とはさすがに多い。これは、その女性クライアントたちに対する僕の労力なのかもしれない。通常の12倍、神経を使っているということかもしれないし、あと彼女たちと12回くらいこの状態が続くということかもしれない。いずれにしても、僕はアンバランスな働き方をしているのだと思う。 

 5,6人の先輩たちがたかってくる。これは象徴的には僕の兄を連想させるのだけれど、その他の業者に対しても同じような感情を抱いている。以前の夢のロビーで絡んできた二人組の存在とも重なる。今回は数が増えているけれど、僕は彼らに言い返す。僕の中でエネルギーが戻ってきているのだろう。 

 エネルギーが戻ってきていると言えば、果樹園の光景と適合する感じがする。前回は海の中でたくさんの色とりどりの魚たちが泳いでいた。今回はたくさんの果実が実っている。前回が動物的なエネルギーだとすれば、今回は植物的エネルギーに僕は囲まれている。 

 しかし、そうしたエネルギーに囲まれながらも、僕はそれに触れないようにしている。身を屈めて歩いているというのがそれだ。また、果実はしばしば女性の象徴というか、イメージ的に女性を連想するのだが、僕はそれに触れないようにしている。そうしないと歩けなくなるからだろう。 

 雨が降り出すというのは前日の経験と重なる。いきなり降ってきた雨に濡れて、もう少し時間をずらせば良かったと思った。雨の中、僕は傘もささずに歩いていたが、不測の事態に対しての準備ができていないのだろう。 

 酒を呑もうかと思ったけど止めた。今、断酒中で、3日経過したところだ。そろそろ酒の夢でも見るかと思っていたところ、こういう形で見ることになった。 

 酒を呑もうかと思っているところに、高校生の一団が走ってくるのに遭遇する。僕も高校時代はあんなふうに走っていた。酒を呑むのではなく、高校時代の僕にもっと近づかなければならないのかと思った。 

 高校生の一団が去っていく。道路を横断して駅に上がる。横断して道の向こう側に行くということは、どこか別の次元に移るというように僕はイメージする。こちら側から向こう側へ行くとは、別の世界に生きるということにつながると、そう思う。 

 そこが駅であるということは分かったが、その階段を上がるところまでしか夢では見ていなくて、そこで目が覚めている。僕は駅までは行くことができても、そこから電車に乗ってどこかへ行くというところまで辿り着いていないのだと思う。 

 酒を断ち、高校時代の何かに触れるか向き合うかして、それにより僕は次元の違う生き方へと向かうはずなのだが、僕はそれに十分にできていない。それができれば、僕は今いる場所よりもずっと遠くへ運ばれていくのだろう。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

(追記) 

 今も同じような解釈をするじゃないかと思う。お金と仕事の葛藤、さらに業者さんたちとの葛藤、そうしたものが最初描かれていて、そこからどこかへ旅つのだけれど、それがうまくいかない夢だと思うだろう。 

(平成29年6月) 

 

 

 

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