3月21日(月):朝ドラ
家族が彼岸の墓参りに行くというので、僕も便乗して一緒に行くことにしていた。半日仕事になるかと思いきや、渋滞等にも巻き込まれず、手際よく動いて、案外、早く済んだ。
その後、高槻へと向かう。墓参りで午前が潰れるだろうと思って、予定を入れないでいたが、10時頃には到着していた。
さて、到着したら、まずしなければいけないのは、パソコンとネットの状態の確認だ。不具合を起こしていないかどうかを見る。具合が悪ければ、サイト関係の作業は中止だ。立ち上がりと接続にいささか時間がかかる以外は、取り敢えず、順調そうだ。
両親と会話するのも久しぶりだ。一緒に生活はしているけど、会話というものはない。
おかしいのが、両親そろって、朝の連ドラを見るのも疲れるなとこぼしたことだ。二人とも毎朝熱心にドラマを見ている。てっきり好きで観ているものと思っていたが、意外とそうでもなかったようだ。確かに、毎朝欠かさずに観るというのも労力が要るものだとは思う。
僕もたまに観る。その度に、朝ドラとはよくできているなと感心する。
まず、15分という時間がいい。朝の忙しい時間帯に少し手を休めるのにちょうどいいくらいの時間だ。それ以上長くても短くても適切ではない。
そして、15分の間に、多彩な出演者が登場する。豪華感がある。シーン並びに出演者の出番を小刻みにすることで、一回にたくさんの人が登場できるように作られている。そんな印象を受ける。
メインの登場人物に加えて、ゲスト的な人たちも大勢出演する。これも楽しみの一つになると思う。今回からあの俳優さんが出るとか、そういうのも楽しいだろう。芸人さんが出演することもけっこうある。
ストーリーは大体同じようなものが多い。少々ストーリーを見失っても、こんな感じになるのだろうといった予測がつきやすい分、継続して観ていくことが可能である。
ストーリーに関していえば、苦難を乗り越え、主人公が何かを達成するとか実現するとか、そういうテーマのものばかりが目立つし、主人公に女性が多いのも視聴者を意識してのことだろう。
また、最近の傾向としては、実在した人をモチーフにしたものが目立つ。今放送されている「あさが来た」もそうだし、ニッカの竹鶴さんや漫画家の水木しげるさんのもあった。次のシリーズでもそうなるらしい。
好きな人は、けっこう一生懸命に観るようだ。クライアントの中にも、毎朝欠かさず観るという人もある。よく継続できるなあと尊敬したくなる気もする。
さて、今日は仕事を終え、喫茶店で書き物を済ませた後、真っすぐに帰宅した。昨日のことを思い出すと、酒なんて飲みたいとも思わなくなった。
帰宅して、DVDを観る。今日、チョイスしたのは『宇宙戦争』だ。H・G・ウエルズ原作のSF映画だ。セットや映像に時代を感じる。現代の技術に比べたら、本当に初歩的な視覚効果であるが、それでも一生懸命な手作り感が伝わってくる、そこがまた良い。
オープニングは2度の世界大戦の映像から始まる。それからタイトルロールがあって、宇宙のシーンに入る。火星の生物が住めなくなり、太陽系の惑星に移民先を求める。どの星も済むには条件が厳しい。彼らが目を付けたのが地球だった。
生物が生存可能な条件がそろっている星は地球だけなのに、その地球上で殺し合いの戦争をやっているという不条理が述べられているように思う。
さて、火星からの侵略者に人類は太刀打ちできない。人類の存亡にかかわる事態に陥って初めて世界各国が一致団結するというのも、痛烈な風刺だ。
昔の映画らしく、大部分はスタジオ内で撮影されている。後半、街中でのロケ撮影シーンが多くなると、一気に現代映画っぽさが出てくる。これだけの違いでも、ぐっと印象が変わってくるものだと感じた。
細かな点を見ていくと、それなりに面白い場面もあるのだけど、それは別の機会にしよう。ただ、皮肉とも言えるラストは、なんだか虚しい感じになってくる。あれだけ猛威を振るった火星人たちが、人間なら何でもないようなバクテリアで死滅してしまうとは。優れた技術も、適者生存の原理には敵わないということだろうか。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)