3月19日:要領が悪いぜ

3月19日(土):要領の悪いぜ

 

 今日もサイト復旧作業に4時間ほど費やす。その他の作業や用事の合間を縫っての作業だ。かつて書いた原稿の読み直しをしている。特に初期のものは手直しする個所が多いので時間がかる。多分だけれど、後のものになるほど手直しする部分が減ってくるので、作業がより円滑に進むはずである。

 440時間を見込んでいたが、今は600時間を見込んでいる。昨日と今日とでやっとこさ10時間だ。でも、実際には10時間で予定される作業を終えていないのである。先述のように、後になるほど手直しする個所が減少するので、やがて追いつくはずである。もっとも、この追いつくも見込みでしかないのであるが。

 

 本当は、今日はもう一度業者に電話して不満をぶちまけてやろうかと思ったけれど、止めた。時間の無駄だ。彼らはダメである。

 企業や商店のHPというものはできるだけ早く仕上げて納品した方がいい。というのは、そのHPを使って商売をしようとなると、それに時間がかかるというのは致命的であるからだ。その間、広報活動が制限されてしまうわけだから、営業者にとっては致命的となるわけだ。

 だから、HP制作会社はできるだけ早くページを作るのだ。僕の感覚では、2,3週間でそのHPが稼働し始めないと手遅れである。契約して、2,3週間後にはHPを活用し始めているくらいでなければならない。

 

 何よりもこの業者が要領が悪すぎるのだ。ページ数が少ない方が移行が速いというので、僕は2000ページ以上もページを削減したのだ。本当はこれもしたくなかったのである。そっくりそのまま新しいシステムに移行してほしかったのである。結果的に、新しくなってから削除した2000ページ以上ものページを僕が復旧していくことになるのだ。11年間のコンテンツを数か月で元に戻さなければならないのだ。この負担を彼らは考えているだろうか。

 まず、ここがダメなところの一点目だ。客の負担を過剰に増やすのである。彼らはそれをするのである。その他の場面でもそうである。こうしてくれと頼んだのと違うことをやって、その後処理が僕に圧し掛かってしまうのだ。

 次に、これは僕もまずかったことは認めるのだけれど、僕の方で明確にこの日までに仕上げろと指定しておけばよかった。彼らは4月初旬に完成するという。僕はそれでは遅い、3月中に完成させよと求める。

 さあ、ここだ。客が3月中に仕上げてくれと求めているのである。では、彼らのペースでは4月初旬になる。二週間ほど短縮しろと彼らは求められているわけだ。この場合、良質な企業ならどうするか。簡単である。どうすれば3月以内に仕上げられるかを考えるのである。ここで思考が求められるのだ。ダメな企業はここで思考をしないのである。これは決して誇張ではない。いついつまでに仕上げてくれと頼まれて、何とかしてやってみますというのと、「それは無理です、この日までかかります」というのとは雲泥の差なのである。そして、前者の場合、どうすればそれが実現できるのかを考えるのである。この思考は「生産的思考」に属する思考なのである。従って、生産的思考の可否が企業を分けるのである。

 そして、次に来るのが僕の原稿チェックである。広告に関してはいろいろな規制があるのは分かる。僕自身はそれに違反しているところはないと思っているのだけれど、実際はどうか分からない。彼らはそれをチェックするという。ありがたいサービスであるが、それが今後はなされないのであれば、無駄な作業である。仮にチェックするとしても、それは製作と別ラインの作業にしてもらわなければならない。従って、先に納品して、客は客で更新作業をし、業者は業者でチェック作業するという、いわば並行して作業を行っていけばそれだけスムーズに事が運ぶのだ。それを、彼らのチェックが終わるまでこちらは足止めを食らうのだから要領が悪すぎるわけだ。

 要するに、彼らは完全に完成させて、納品させたら後はノータッチでいきたいわけだ。僕から言わせると、彼らはそれをするので非常に困るわけだ。後は知らんという態度を採られるのが一番腹立たしい。

 ああ、そうだ、もう一つ思い出したことがある。HPのデータを見るのにメール設定をしなければならなかったのだけれど、それが上手くできないのだ。そこで担当者にどうすればいいかを尋ねたら、彼はハッキリとこう言ったのだ。「うちはHPを作成する会社です」と。つまりそれ以外のことは一切かかわりませんということだ。僕がこの担当者に見切りをつけた瞬間だった。

 それならそれでよい。今回もただ作成するだけでいい。それだけをすればいい。チェックなんかしなくても結構だ。僕がそれを求めたのではないし、それに僕のサイトで何か引っかかったものがあるとも聞いていない。誰のためにその作業をするのか、正直言って不明である。彼らの自己満足でしかないのではないか。うちはここまでのことをやりますってアピールするための材料なんじゃないか。そんなふうにも勘繰りたくなる。

 

 彼らのことを長々と綴ったけれど、他のIT屋も大同小異だ。彼らはHPを作成すると言うのだけれど、現実に作成するのは僕だ。彼らは「箱」を作るだけで、「中身を」を作るのは僕の方だ。劇場と、その劇場で演じる劇団のような関係だ。彼らは舞台を用意してくれるだけであって、その舞台で何をどのように演じるかということは僕に任されていることなのである。彼らはそこに口出ししなくてもいいのである。僕の方でも彼らの領域に関しては口出ししない。

 ただ、あまりにもひどすぎるから言いたくもなるのだ。ウチはHPを作るだけ、メール設定のトラブルは知りませんという態度を取れば、結果的に彼らの仕事が増えるのである。それよりも、一度パソコンを見てみましょうかとか、懇意にしている修理屋さんを紹介しましょうかとか、そいうことをしてその都度処理しておいた方が後々お互いにラクになるのである。そういうところにも彼らの要領の悪さを見て取る思いがするのである。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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