3月10日:いい関係を目指すこと(前)

3月10日(月):いい関係を目指すこと(前)

 しばらく以前から僕は自分の生活、自分自身を変えたいという衝動に駆られていた。変えたいとは望んでいても、どのように変えたいのか自分でも分からなかった。飛び出したいのに目的地が分からないというような状態だった。
 今もそれが見えないことに変わりはない。けれど、とにかくスタートを切りたいという思いの方が強く、今日を迎えた。取りあえず、目的地は見えないけれど、自己変革に乗り出そうと決めたのだ。
 僕は僕自身を創造する。おそらく完成ということはないだろう。でも、僕は思う。人はすべて創造の過程にあるのだと。
 もう少し正確に僕の考えているところのものを述べよう。そこには創造か破壊かしかない。フロイトが性衝動と破壊衝動を想定したことは正しいように思う。
 それが創造であるのか、破壊であるのか、最後の瞬間まで分からないものだと思う。と言うのは、創造のつもりで破壊してきたというような例も僕はいくつも見てきたからだ。また、創造のための破壊ということもある。いずれにしても、創造か破壊か、そのどちらかしかなく、中間やその他はないものだと思う。

 自分を変えたいとは思っていても、忙しくてなかなかそこを考える余裕がなかった。仕事や副業、その他のさまざまな用事や雑用が割り込んでくる。まだ3月の前半だけれど、すでに4月は半分くらい予定が埋まっているというありさまだ。忙しいのは大歓迎だ。ただ、それが本当に自分のものになるというものだけに絞りたい気持ちがある。
 バイトしていたコンビニが2月いっぱいで閉店した。僕は去年の暮れに辞めていた。この店は僕が若い頃、バイトで食いつないでいた時代にお世話になった店だ。一昨年、店長から連絡があって、店の立て直しに協力してほしいと要請された。僕は引き受けた。
 引き受けたものの、中はひどいものだった。間違ったことをいくつもしているのだ。ちなみに、その店はきちんとやればやっていける店だと僕は今でも信じている。今回の閉店はおそらく店長が決めたことだろうけれど、それまでの一日一日がそこに向かっていたのだと思う。
 つまり、毎日わずかずつであれ何かが損なわれ、悪くなっていったのだと思う。その動きに気づいていた人たちがあの中にいただろうか。

 この半年くらいの間にいろんなものに誘われている。この前は一緒にテニスをやりませんかと、飲み屋の人から誘われた。朝の勉強会や登山にも誘われているし、挙げ句の果てにフットサルまで誘われた。他の人たちの活動に僕も参加したいと思う。ただ、時間が合わなかったり、体力的に無理を感じていたりして、どれも保留にしてもらっている。
 先日、ある女性から「寺戸さんは結婚しないの?」と言われた。僕は今のところその予定がないと答えた。どうして?と、彼女はさらに問う。僕は結婚に自信がないと言った。仕事も多かったり少なかったりして収入も不安定だし、子供でも生まれたらそれこそやっていく自信がないと僕は伝えた。
 それは考えすぎだと彼女。いろんな制度があって、それらを利用すればやっていけるよと言ってくれる。確かにそうだろう。僕が考えすぎるだけなのかもしれない。
 彼女は僕の職業を知らない。僕が言わないからだ。その時の勢いや周囲の圧力で結婚して、それで破綻してしまった夫婦を何人も見ていると、どうしても慎重になってしまうのだ。慎重になるというのは言葉が良すぎるな。本当は臆病になっているだけなのだ。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

(付記)
 この日のブログは少し長文なので2回に分けることにした。
(平成28年12月)

 

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