2月6日(土):勉強家はややこしい
高槻に古くからある古本屋に行く。そこで月に一回くらい本を見に行き、気に入ったのがあれば買うことにしている。できるだけその店で買うようにしている。
ところがその古書店、土曜日だけの営業なのだ。だから僕の時間が空いていなければ行けないのだ。
今日、午後からのクライアントに変更があったので、これを機会に足を運ぶことにした。
実は買おうと思っていた本があった。前回、買おうかどうしようかで迷ったのを、今回買うことにした。しかし、いざ、店に行って、その本の現物を見て、やはり躊躇してしまう。有益な本だと思うけど、若干、古いのだ。30年ほど前の本なのだ。
結局、その本の購入は保留にして、他の本を購入した。
支払の時だ。店のおばちゃんも僕のことは見知っているので、いつも何かを言う。
今日、「勉強家なのね」とおばちゃんが言う。
僕は「いやあ、それほどでも」と答える。実際、僕は自分が勉強家だとは思わない。
すると、おばちゃん、「勉強家ってややこしい人多いよね」って。
「おいおい、おばちゃん、えらいはっきり言うやないか」と僕は心の中で思う。でも、けっこう図星だとも思っている。
確かに、勉強家にはややこしい人が多いかもしれない。「ややこしい人」がどういう人であるかははっきりしないけど、ニュアンス的に伝わってくるものがある。大学の教授なんて、けっこう変わり者が多いと僕は思っているけど、それに近いものかもしれない。
僕は自分が勉強家だとは思わないけど、いろんな本は読みたいと思っている。知りたいこともたくさんある。僕自身の中に分からないものがたくさんあるからだ。それと同じくらい、僕の外側に分からないものがたくさんあるからだ。
自分自身も世界も、分からないことだらけだから、少しでも本を読んで、分かりたいと思うのだ。ああ、考えてみると、これもけっこう「ややこしい」の範疇に入るかもしれないな。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表:カウンセラー)