2月18日:「防波堤の男性の夢」 

2月18日(木):「防波堤の男性の夢」 

 

(夢)「防波堤の男性の夢」 

 なぜか街中をレポートしている。いろんなところを回っている。近所の雰囲気。なかなかレポートできるような場面に遭遇しない。 

 海。防波堤の縁に一人の男性が座っている。僕は彼に近づいて声をかける。彼は一年前の今日、何時何分に彼の恋人(姉?)が海に呑まれたと言う。その命日で、その瞬間までここにいると言う。 

 雨が降ってきて、さらにそれは激しくなる。嵐のよう。激しい豪雨の中、その男性はじっとその場に腰かけている。僕は少し離れた所からその男性をレポートしている。 

 さすがに危ないと思ったのか、僕は再び彼の所へ行く。見ると水かさは増し、彼の足はほとんど水に浸かっていた。危ないから引き返そうと僕は持ちかけたのだけど、彼は頑として、海に呑みこまれても構わない、その時間まではここを動かないと言う。 

 僕は彼から離れるが、その時間まで付き合おうという気持ちになっていた。 

 雨はますます激しくなり、海面がほとんど陸地に達していて、こちらにも海水が流れてくる。それでも彼は動こうとしない。 

 間もなく、その時間が来る。すぐに彼を助けないといけないとさえ思った。 

 時計を見る。秒針がその瞬間に近づく。その時間に達した時、僕は彼の所へ行ったが、その瞬間、雨が止み、太陽が出て視界が明るくなる。おまけに、あれほどあふれていた海水がどんどん引いていく。 

 彼は海に呑みこまれることなく、助かったのだ。同時に、海がとても穏やかになっていたのを僕は見た。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

 

 

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