2月17日(金):問題解決と盲点
昨日と今日は少々暇な日である。クライアントの予約が重なる時はやたらと重なるのだけど、暇な時はとことん暇になる。なぜこういう集中化が生じるのか、僕はとても疑問に思う。ただでさえ、今週は暇週なのに、この木曜、金曜や特に暇になった。こういうのは自分でコントロールできることではないので仕方がないか。
その分、溜め込んでいた仕事や遅れている作業を集中してやろうと決めている。このサイトの方も、ブログ以外ではしばらく手を付けていない領域もある。
ブログでさえ、この一週間くらいは毎日の更新を怠っている。もっとも、これがけっこう面倒で、一つ更新するのと、二つ三つまとめて更新するのと、対して作業量は違わないのだ。だからついついまとめてやってしまおうと考えてしまうのだ。横着な人間はよろしくないね。一つ完成したら、一つ更新するくらいでないといけないね。
今、インターネットの無料ゲームでハマっているものがある。工事の騒音が始まると、それをしてその場をしのいでいる。そのゲームは敵を侵入させないように、陣地に武器を配置するゲームだ。敵を倒して点数を稼ぐと、その点数で武器をグレードアップさせることもできたり、より強い武器と交換できる。もちろん、徐々に敵の数も多くなり、なかなか倒せなくなってくる。武器をうまく組み合わせて、それに応じるというものだ。バトルものというより、戦略ゲームという類のものだ。今日、それが最終面までクリアできた。
やっていて、なかなかうまくできているなと感じた。アイテムがいくつかあって、それをいろいろ使いたがるのだけど、僕が最終的に行き着いた結論は、アイテムの種類をなるべく増やさないということだった。最終的に一番強い武器一種類だけに絞るということで、威力の弱い武器が一つでも残してあると最終面で勝てないのだ。弱い武器をグレードアップしたりせず、それをどんどん売って点数に換えて、それで一番強い武器だけにしてしまうということなのである。これが意外と盲点になっていて、僕は気づかなかったのだ。
問題が解決できないという時、何らかの盲点があるものだ。このゲームの場合、威力の弱い武器を仮に10個処分してでも、一番強力な武器を一つだけ置く方がいいのである。10個も武器を売却すると、陣地が隙だらけのように見えてしまう。だから一見すると弱くなったように見えるのだ。これが盲点だったのだ。だから弱い武器はそのまま残してしまっていたのだ。でも弱い武器は売却して点数に換えないと、強い武器がなかなか手に入らないのだ。
臨床方面に手を染める前に、一時期だけ、僕は認知心理学に凝ったことがある。そこではこういうことをよく勉強していたなということを思い出した。認知心理学にはいくつかの下位分野があるのだけれど、人間がどのようにして複雑な問題を解くかという研究領域がある。僕はそこをやるのが好きだった。そこで学んだことは、パズルや数学の問題を解く時には、一見、解決から遠のくようなことをしなければならないのである。それをすることは「抵抗感」として感じられるので、ついついその可能性を人は省いてしまうのだ。そこが盲点となるのである。
考えてみれば、日常で人が出会う諸問題や、人生上の大きな問題も、仕事で課せられた課題にも、案外こういう盲点があるのかもしれないな。となると、僕にはまだどんなものが見えていないのだろうという気持ちになる。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)