2月17日(日):マニュアル作成
昨夜は店長と飲んだ。地元のワインバーで、久しぶりに顔を出してやろうと思って行くと、店長がいたのだ。それだけのことだ。
深夜勤務者に向けてのマニュアルを作成しようと思っている。新人の深夜勤務者からそういうのが欲しいと頼まれて、それで即席で書いて、店に持って行ってやったのだ。ワインバーはその帰りの話だ。
でも、そのマニュアルを書いていて、こういうのはその新人個人に書いてやるよりも、今後とも深夜勤務者が参照できるようなものがあればいいなと思うようになった。
そのことを店長に話した。店長は是非やってほしいと言う。実は、昨日、いくつか下書きをしておいたのだ。それはあまり店長には読まれたくない内容なのだけれど、まあ、仕方がない。店長の考えに反するようなことが書いてあっても恨みっこなしですよということで、話がついた。
まず、僕は僕で書く。自分の体験に基づいて書くつもりだ。今、上の人間が自分の体験を語らなくなっていると僕は思うから、それをするべきだと思っている。僕が伝えたいのは、個々の作業の手順ではなくて、なぜそういう作業をするのかということと、仕事への姿勢や心の持ち方を刺激したいと思っている。
不景気でしかも就職難の時代だ。生きるためにはバイトでも何でもしないといけない。でも、それだけのために人間はきつい労働には耐えられないものだ。それは奴隷が重労働するのと差がない。そうならないためのマニュアルを目指しているのだ。
僕はあまり自分の考えを言わない方だ。でも、店長と一緒に飲んでいると、自然と話が仕事のことになる。店のことが話題になる。そこで僕が自分の考えなんかを洩らしてしまうのだ。酔っているせいもあるかもしれないな。でも、店長は僕の考えをすごくいいと捉えてくれる。
僕は僕の体験や哲学を書くだけだ。それを店長に提出すれば、僕の役割は終わる。店長はそこに店長自身の体験や考えをさらに盛り込みたいと考えているようだ。それは構わない。一緒に作って、いいものに仕上がればいいじゃないかと思う。手柄を立てようとは思わない。
店長からの賞賛を求めなくなっている。つまり父親からの賞賛を必要としない人間に、僕はなっているのだと思うようになった。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)