12月31日:どうにかこうにか 

12月31日(月):どうにかこうにか

 

 今日で平成30年もお終いだ。午前中に家のことをあれこれ片付けて、昼から高槻に出る。職場では、若干の大掃除、整理をやった後、ずっと本を読んで過ごす。1階のソバ屋では例年のように年越しそばを店頭で販売しておる。あんまり売れているようにも見えなかったが、まあ、そんなものだろう。当然、僕は1階では買わない。

 静かだった。平穏に過ごすことができた。

 

 帰宅する。毎年、この日はテレビを見ることになっていた。ダウンタウンさんの笑ってはいけないっていうあの番組だ。今年は観る気がしなくて、葛藤していた。毎年見ていたのだから今年も見ようという気持ちと、もういいかなという気持ちの両方があった。それでも今年は観ないという方向に気持ちはほぼ定まっていた。

 夕食の年越しそばを食する。一応、大晦日の行事は済ませた。自室に入る。少しだけテレビを見るかと思い、1時間程度あの番組を観る。

 僕が見た時、引き出しネタの最中だった。相変わらずこんなことをやっているんだなと思うだけだった。ここで僕はメンタリストってやつを初めて見た。くだらんことをやっている人なんだなと思った。

 ココリコの田中さんが毎年喰らうタイキックを巡って、カードで勝負するという企画だった。相手がどのカードを出すか、メンタリストは相手の心を読むということらしい。こういうやつが出てくるから誤解されるんだけど、それは心理学の仕事ではないのだ。ギャンブラーの仕事なのである。もう少し悪く言えば、詐欺師の仕事なのである。くれぐれもあんなものを心理学などと勘違いなされないように、世間一般の方々にはお願いしたいところである。

 その後、レクレーションのコーナーに移る。途中まで見て、「もう、こんなの面白くもねえや」と思い、テレビを切る。

 

 いや、テレビを切ったのではなかった、DVDに切り替えて、レンタルしている映画を観たのだ。映画を観ている方がはるかにましだ。

 今日鑑賞したのは、「007ダイヤモンドは永遠に」だ。この作品は、僕の中では、筋はすごく面白いと思うのだけど、今一つ印象の薄いというものだった。なんで印象が薄くなるのかを確認することも兼ねて、一度きちんと見直そうという意味でレンタルしたものだった。

 結果、やはり印象が薄い。敵のボスであるプロフェルドと対決する場面がないことと、そのボスがどうなったのかがはっきりしないことも一因であるように思った。どうも後味の悪さを感じてしまうのだ。

 続いて、「ボッカチオ’70」の前半だけを見る。4話から成るオムニバス作品で、最初の2話だけ見る。この2話だけから判断すると、この映画はかなり面白いと感じている。まあ、映画の話は別の機会にしよう。

 

 さて、映画を観ることにも疲れたので、ここで再びテレビに切り替える。まだ例の番組が続いている。体を張る面々のコーナーから、深夜の驚いてはいけないというラストまで見てしまった。

 バラエティやお笑い番組を観ている時、面白くて笑うことはあるけど、本当に面白いと感じているのかどうか、僕は自分でもよく分からない。そのネタなり企画なり、トークなりが面白くて笑っているのか、それともバカなことをやっている人を見て笑っているだけなのか、自分でも判然としない。なんとなく後者のような気もする。

 例えば「一発ギャグ」ってのがある。何の文脈もなく、いきなり動きと添付されるセリフで笑いをとろうというギャグだ。僕はあれを面白いとは思わないのだけど、世間の人には面白いと映っているのかもしれない。あれこそ、ネタやトークで笑っているのではなく、その人間を見て笑っているのではないかと思う。

 そうであれば、面白くて見ているのではなく、バカなことをやる芸人さんを単に見て笑っているだけなのだから、それは蔑みの笑いでしかないように僕は思う。

 人を蔑むことと笑うこととは、本来、一緒になっていはいけないことだと僕は思うので、どっちとも分からないようなものには、もう触れないでおこうと思う。

 

 そんなこんなで、気がついたら日付も変わり、年が明けていた。今日のこのブログも新年に書いている次第である。

 とにかく、平成30年は終わった。どうにかこうにかこの一年も生きることができた。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

 

 

 

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