12月30日(金):アルバイト二日目
今日もアルバイトに行った。屋外で、風が冷たく、物凄く寒かった。本当に身を切るような寒さであった。手や足の先が痛いほどであった。このアルバイト、日当はいいのだけれど、冬は極寒で、夏は猛暑という特典付きである。仕事には慣れたけれど、暑さ寒さにはなかなか慣れないものである。
今日の現場には毎年行っているのだけれど、過去に二回くらい、この現場で風邪をひいたことがある。だから僕の中ではちょっとイヤな現場になっている。天気もあまりいいことがない場合も多い。去年は確か、雨の中で仕事をしたように記憶している。何回かは雪だった。
きついけれども、働かなければ。生まれてきたからには、生きていくためには、働かなければならない。これはどの人も同じことだろうと思う。働かなくていいのだったら、僕は働かないし、好きな事だけをやって日々を過ごすだろう。でも、そのような日々が素晴らしいとは思わないし、きっと不毛な一生で終わることだろうと思う。
今、いささか「ひきこもり」傾向のあるクライアントが2,3人来ておられる。彼らの援助においてネックとなるのは、常に就労ということである。今来てくれているクライアントと、かつて来てくれたクライアントも、何とか働けるようになってほしいと僕は願っている。
また、出社拒否のクライアントや、その「予備軍」のような知人たちもいる。言わば、彼らもまた就労の「問題」を抱えているのである。仕事なんて愉しいものとは限らない。特に20代の若い世代にとってはそうである。はっきり言って、イヤなことだらけである。ましてやこのご時世だと、労働環境そのものもやりにくいものになってしまっている場合も多いだろう。
彼らの一人ひとりの状況や感情は理解できるものの、やはり、僕たちは働かなければならないのだ。その日の食い扶持を稼ぐという意味だけではない。僕が働くと(それはどんな職種であれ)、誰かが助かるのである。これはどの人にも等しく該当するものだと思う。その誰かから感謝でもされると、このことがよく理解できるはずである。しかし、誰からも感謝を示されなくとも、やはり同じことが生じているはずである。一人の人間が働くと、その周囲で助かる人が生まれるものである。
出会ったクライアントたちには想像もつかないかもしれない。カウンセラーとしてクライアントと面接する姿がある一方で、今日のように、寒さに震え、鼻水を垂れ流しながら現場で作業している僕の姿があるということを。僕はまだまだ仕事がしたいのである。くたばるにはまだ早すぎると思っている。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)