12月29日:仕事納め 

12月29日(土):仕事納め

 

 今年は今日が仕事納めとなった。明日から1月6日まで仕事なしの日々が続く。なんとなくやりきれない期間になりそうだ。

 夕方まで仕事をして、その後は大掃除関係のことをして過ごす。夜は少し飲みに行く。

 いつも行く呑み屋で、珍しくテレビをつけていた。何となくテレビを見ながら飲む。テレビがなんも面白くない。たまたまそこで宝くじの番組を観た。

 

 宝くじなどで高額当選した人の買い方をタレントさんたちが自腹を切って試みるというコーナーがあった。

 こういう自腹を切るっていう番組が一番面白くない。某番組のごちになりますってやつも不愉快だ。自腹を切るといっても、出演料が入るのだからまったく損失というわけでもないだろうに。

 それはともかく、高額当選者たちの言う通りに彼らは買ってみる。結果、勝つことは勝ったけど、元手を取り戻すには至らないものばかりだった。つまり、赤字を生み出したわけだ。当たったといって喜んでいても、蓋を開けてみれば、投資額をはるかに下回っているというわけだ。

 僕の自説では、一回目で負けを生み出すと、もはや回収は不可能である。不可能とまではいかなくても、限りなく難しくなる。投資額の半分以上が回収できなければ難しいと思う。番組を観ていて、なんとなくだけど、僕は自説が正しいような気がしてきた。

 一か月の投資額が5万円としよう。当然、5万円以上獲得できなければならないわけだ。一回目からそれだけ当たることも稀有なことなので、損失を生み出すことになる。その場合でも、半額の2万5000円以内の損失に抑える必要がある。5万円投資して1万円しか回収できないといった結果では、先行きは真っ暗だと僕は思う。

 そうして毎月4万円の損失を生み出すとしよう。年間でほぼ50万円の損失だ。1回目の投資では、当選額3万円くらいの低い賞を狙ってもOKだったが、ここまでくると、かなり上の方の賞金を狙わねければならなくなる。2年目ではさらに跳ね上がる。もはや100万円の当選額では足りなくなる。マイナスを生み出せば生み出すほど、当選確率の低い賞を狙わなければならなくなってくる。少しずつ損失を縮め、徐々に利益を出すといった方策は不可能になる。高額当選して、負けを一気に返上するしかなくなる。負ければ負けるほど、ハードルを上げなければならなくなり、そうして自分の首を絞めることになるのだ。ギャンブル者がいつしか落ち込んでしまう罠だ。

 この罠に陥らないためには、1回目で勝たなければ2回目は手を出さないという法則を守らなければならない。そうでなければ、負けるのを覚悟して、遊びでやるのでなければならない。そこでハマってはいけないのだ。

 

 さて、某呑み屋でそんなテレビを見ながら飲んだ後、二軒目に行く。やはり僕がいつも行くバーだ。

 ああ、さすが年末だ。すごく久しぶりに会う人がいた。この時期、普段来れない人が顔を出したりする。遠方にいる人がこちらに帰省したりするからだ。今日、久しぶりに顔を見たその人も元気そうでなによりだった。向こうも僕のことを覚えていてくれたようだった。あまり言葉を交わす間がなかったけど、挨拶はしてくれた。

 

 一応、職場は明日から休みということになるが、あまり休みってことは打ち出さないでおこう。仕事が入れば仕事をする。この期間、仕事はなくても、できるだけ仕事をしていた日常を崩さないようにしようと思っている。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

 

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