11月8日:コロナ禍の清算をすべし 

11月8日(水):コロナ禍の清算をすべし 

 

 コロナ禍において、政府は多額の給付なり補助なり支援なりをしてきたが、ようやくいくつもの不正が明るみになってきている。今朝、僕が観たテレビ番組によると、200億円近くのお金が不正に流れていたとのことだった。コロナ禍で甘い汁を吸ってきた連中も多いだろうと思う。そろそろ清算すべきだ。 

 

 コロナ禍の3年間というもの、日本は地に堕ちたとしか僕には思えなかった。国民側もそうであり、政府の対応もそうである。 

 まず、使い物にならないもののために多額の税金が投入された。アベノマスクはその代表格だ。あの非接触アプリもひどいものであった。アクリル板やビニールシートの類も効果が疑問視されていたにもかかわらず推奨され、多くの店舗はその負担をし、政府も補助を出したりしたが、まったく無意味だ。効果や意味のないものにどれだけの税金が投入されたことだろうか。 

 

 ワクチン開発の補助も出されたがモノにできた製薬会社はない。しかし、それはまだ許せる範囲である。製薬に関する補助金は、その薬が完成できなかった場合は返済しなくてもいいことになっている。まあ、そういう処置もしないと新たな薬を開発しようという士気を挫いてしまうことだろう。それもまだ許せることだ。しかし、補助を受取ながら、本当にワクチンを作ろうとしたのかどうか怪しい製薬会社もある。 

 ワクチン接種に関しては、補助が出された。都道府県によってその額に違いがあるそうだが、一人に接種するといくらかのお金が事業者に補助として配給されるのだ。それもまだ許せる。ワクチン接種会場を貸す側もあり、そこで作業に従事する人もあり、費用がかかるのは確かだ。しかしながら、案の定というか、不正受給が発覚しているそうだ。本当は接種していないのに接種したことにして、そうして水増し請求して、不正受給した面々もいるそうである。 

 そうだ、アビガンも国が多額のお金で買い取ったのに認可されなかった。アビガンという薬そのものはそれなりにいいものであるが、結果的に無駄に捨てたお金となった。 

 

 給付金の類は間に9つもの中間業者が入ったとも聞いたことがある。各々の業者が中抜きをしていくのだからたまったもんじゃない。 

 いつぞやアベが日本は補償が世界一充実しているみたいなことを言っていたが、そっちからみればそうだろう。王様は国民にご馳走を提供するが、それを国民に届ける使者が次々につまみ食いしていった挙句、国民には食い荒らされた後の残飯しか届かないようなものだ。そこが見えないということであれば、それこそ裸の王様といったところだ。 

 中間業者が少しは入るのは仕方がないことだと思う。3つくらいなら許せる範囲だ。9つとなると多すぎる。コロナ禍の3年間で僕が受給したのは10万円だけだ。あれも中間業者がいなければ一人当たり20万円とか貰えていたかもしれない。 

 

 確かに旅行業界は打撃を受けた。彼らに補償するのは許せる。それでも廃業した旅館なども多いようだ。必要なのは無職者を出さないようにすることであって、ゴートゥーをやることではなかったのだ。ゴートゥーにも多額の税金が投入されたのだったな。 

 飲食店の給付もズサンなものだ。今、観光客が戻ってきて、飲食店が足りなかったり、そこで働く人手が足りなかったりしているそうだが、そうならないための持続化給付ではなかったのか。僕の知人の中にも、コロナ前までは飲食店で働いていたり経営していたりしていた人たちがいるが、コロナ禍を契機に廃業した人もいる。彼らはその仕事を続けたかっただろうに。 

 同じことはタクシー業界にも言える。コロナ禍でタクシー運転手が次々に廃業して転職していったのだ。これは当時、ニュースで見た覚えがある。そういう事態を招いておいて、タクシー運転手が不足しているから民間の運転手を雇おうなんてことを打ち出しているのだから、まったく愚かしいことだ。彼らが廃業してしまわないように補償すべきであったのに。 

 結局、こういうところにも中抜き業者の存在があるのだ。上が多額の補償をしようとも、民の手に届くころには雀の涙に過ぎなくなる。 

 

 まあ、ウダウダ言うのもやめよう。歴史を観れば一目瞭然なんだけれど、卑怯者が勝つ世界なのだ。ナポレオン軍勢があれだけ強かったのは、ナポレオンが卑怯な作戦を用いたからである。それまでの騎士道なんかまったく無視した作戦を立てたからである。正々堂々と騎士道精神でもって戦おうとした騎士たちからすれば、なんと卑劣な大将だと思われたことだろう。 

 それはともかく、もし、単純にお金持ちになりたいと欲するなら簡単である。卑怯者になりなさい。不正してでも獲得しなさい。下々へ行き渡るものをかすり取りなさい。他人に与えるべきところのものを奪い取りなさい。そうして精神を腐敗させていっても誰の迷惑になるでもない。 

 ただ、僕はゴメンだ。そんな人生になんの意味があろうか。そんな人間になんの価値があろうか。不正して金持ちになるよりも、僕は清貧に甘んじる。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

 

 

 

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