11月27日(水):この5日間のこと
しばらくブログを書いていなかった。日々の体験を記録することを怠ってしまった。記録を怠ると、その日のことは記憶の中で空白と化してしまうようで、僕は怖い。自分から失われるものは少ない方がいい。
そういう思いから、少し遡って最近の経験を記しておこう。
どの辺りから始めるのがいいかな。先週の金曜日(22日)頃から始めるか。
11月22日(金)
この日は夜勤明けで高槻に出たのだったな。この日の夜勤がやたらとキツかった。ローソンの方だ。入荷品の数は普通なんだけれど、一番くじが入ってきたり、商品が入りきらないのが多かったりで難儀した。
クタクタになって駅に向かい、電車に乗る。座りたいので普通電車に乗ったのだ。ああ、あそこで無理をしてでも急行に乗っていたらと思う。途中、人身事故のために電車が止まったのだ。僕は大山崎駅で降ろされることになった。
ここから振り替え輸送ができるのだけれど、人の多さから辟易してしまう。特に急ぐ用事でもないので、僕は大山崎周辺を散策して時間をつぶすことにした。
その辺を歩いていて、ふと、天王山に登ろうなどと思い立った。宝積寺まで坂道を登っていく。まあまあしんどい。足が悪いからといって運動不足なのが堪えている。
宝積寺には立派な三重塔が建っている。山登りをしていた頃にここにも来たことがあるはずなのに、そういうのには目もくれなかったな。山しか見えてなかったようだ。もっと、ゆっくり、ふもとのお寺とか神社とかにも寄って、いろいろ見ていたらよかったなと、今さらながら後悔したりする。
天王山は宝積寺の境内から登山道が伸びている。フェンス際を歩き、小さな橋を渡ると、まあまあ本格的な山道に入る。多くの人が歩いたであろうということはよくわかる。その代わり、ゴツゴツとした岩がむき出しになっていたりして、いささか歩きにくいところもある。昔はこれをスイスイと歩いて登ったのだと思うと、自分の老衰を感じてしまう。
この日は途中まで登った。というのは、のどが渇いたなと思って、そこで初めて気が付いたのだ。飲料水も何も持たずに入山していたことに。無理をしてもよくない。ここで引き返すことにした。
下りは別の意味でしんどい。登りよりも慎重に歩を進めないと危ない。特に足が悪い人間にとってはそうだ。ゆっくり下りる。再び宝積寺に着き、来た道を引き返す。
JRの駅に向かう。そこで何か飲もうと思ったけれど、すぐに電車が来る感じだったので、のどは乾いていても、先に高槻に向かうことにした。朝もそうしていれば事故に巻き込まれる以前に高槻には着いていたかもしれなかったからだ。先に目的地に着いているということがいかに大事なことかと、改めて思い知った。目的地に着いてからゆっくりする方がやはりいいようだ。
高槻での用事はすぐに終わる。そんなに大した用事でもなかったからである。それから少しばかり休憩して、帰路に就く。とかく疲労感がひどかった。
家に着いたときはホッとした。なんだか長い一夜を過ごしたような気がする。テレビでは、今日は「いい夫婦」の日だということで特集をやっていたりする。僕は仕事柄、上手く行かない夫婦を見る機会が多いので、普通の夫婦もいるっていうことを忘れていた。そのことを思い出させてくれたように思う。
夜はいつものように夜勤。
11月23日(土)
夜勤明け。一旦帰宅する。午前中は寝て過ごし、午後から高槻に出る。面接の予約が入っているためだ。
面接は無難にこなす。僕の方で何か思うことがあっても、直接口に出さず、僕の中で抑え、貯めておく。肝心なことはクライアントさんの心をかき乱さないことである。
面接を終え、夕方には帰宅する。今日、僕の飲み友達たちは忘年会をやることになっている。僕は不参加だ。なんだか、そういうのが疲れてきたっていうのもある。僕は夜勤をやっているから、みんなはみんなで楽しく過ごしてくれれば良いと思う。
この日の夜勤もまあまあキツかった。先日とは別の意味でキツかった。
11月24日(日)
夜勤明けで帰宅し、寝る。この日も面接がある。そのまま高槻に出てもいいのだけれど、布団の上で寝たい気持ちの方が強かった。金曜日に歩いた影響が出始めている。筋肉痛がひどく、それと膝具合がよろしくなかった。膝の方の具合がさらに悪化した。
午後から高槻に出て面接をこなす。膝を曲げてずっと座っているのがまあまあ辛かったな。その後、膝の痛みがさらにひどくなったような気がする。
帰宅して夜勤に備える。この日はセブンの方だ。鎮痛剤を服用したが、それだけでは覚束ない気がしたので、杖を突くことにした。この店で、杖を突きながら勤務したのは初めてのことではなかろうか。この2~3年において、一番膝具合が悪くなっていることに気づく。この日は一応の仕事はやったものの、いくつか、僕の予定作業はこなせずに終わる。それよりも、今後のことが心配になっている。
11月25日(月)
夜勤後はいったん帰宅する。朝食を取り、少し足を休めてから高槻に出る。今日は月末関係の作業をすることになっていた。
やはり杖をついて出る。高槻に来ても、いつもなら一旦職場入りして、それから銀行巡りなどをするのだけれど、今日は最初から銀行巡りをする。少しでも歩行量を少なくしたかった。膝は非常に痛い。
銀行を二軒回る。その他、支払いを三つほど済ませる。杖を突きながら歩く。基本的に、膝を曲げなければ痛みはない。膝を曲げずに歩くことも可能ではある。ただ、つまずいたりして転倒の恐れがあるから杖をついているに過ぎない。それに、何度か膝カックンもあり、その時も杖が助けになった。
職場に入る。疲れて動く気もしない。と言って、椅子に座ると膝が痛む。しょうがないので横になって本を読む。横になるのも、仰向けしかできない。うつ伏せになると膝が痛い。姿勢を変えようとして、足を動かそうとすると、膝に痛みが走る。なんとも厄介なことになったぞと思う。それでも昨日よりはましになっている感じがしないでもない。膝の可動域が少し増えたようにも思う。そういうところで希望を持てる思いがした。
お昼、空腹に襲われる。何か食べようと思い、再び、痛む足を引きずって、杖を突きながら、外に出る。特に食べたい何かがあるわけでもない。結局、いつものようにサイゼリアに入る。お昼時でもあって、お客さんが多い。ランチだけ注文する。それとワインと。いつもなら二本目のワインに突入するところ、この日は一本で終える。なんとなく、それ以上に欲しくなかった。食のほうもそうだった。ひどくお腹が空いていたにも関わらず、食べ始めるとすぐに満腹感が訪れ、それ以上に欲しくなくなる。こういうのはストレス反応だな。
その後、職場に戻る。さすがに横になってばかりもいられないので、椅子に座り、書き物をして過ごす。長時間座るのは膝に良くないので、短時間ごとに立って膝を伸ばすなどをしてこなす。どこか体が悪くなると、余計な作業が増えるというものだ。
余計な作業が増えることだけでなく、その分、他の作業にも時間がかかる。予定していた作業を終えることなく職場を後にする。夜勤に備えて休んでおこうと思った。
11月26日(火)
夜勤明け。セブンの方の夜勤だ。この日も杖を突いて仕事をする。最低限の仕事だけこなした感じだ。それから帰宅して寝る。午後から高槻に出る。
膝の具合はだんだん良くなりつつある。それでも大事をとって杖を突いて外出することにした。膝に炎症が起きて、腫れた感じがあったが、この感じも久しぶりだ。膝を割った直後はこんな感じだった。腫れているせいで膝が曲がらないのだ。腫れが引いてくるほど、膝の可動域が広がり、それに伴って歩行等がラクになってくる。
職場では座って書き物をする。それに勉強をし、本も読む。本はよく読めた気がする。
夜は付き合いをしようかと思ったが、足のことを考えると迷う。それに雨も降っているのが億劫だ。結局、いつもの飲み屋に顔を出す。まあ、悪くない程度の付き合いだ。土曜日の忘年会は人が集まらなくて流れたらしい。1月の新年会に代わったそうだ。案の定、参加を呼びかけられた。仮に出席ということにしておく。
金曜日から火曜日まで5日間のことを大雑把に書き残した。他にもいろいろあったように思うのだけれど、それはいいとしようか。
ともあれ、こうして僕は日々を生きている。書き残すことはその証拠ともなり、個々の体験を自分のものにしていくことにつながる。読む人がいなくても構わない。僕は僕自身のために書く。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)