11月14日:火曜は休みだ 

11月14日(火):火曜は休みだ 

 

 今日は火曜日、定休日だ。毎回これを書く。ウチの定休日が火曜日であることを知らない人が多いからだ。 

 今日は朝早く起きた。朝食を採り、健康的な一日を送ろうなどと考えていたが、ここで二度寝してしまう。 

 寝るつもりはなかった。とても目が疲れていて、横になって目を休めていると、いつしか眠り込んでしまったのだ。起きた時にはお昼を過ぎていた。 

 ああ、なんてこったい。せっかくの休日を半日寝て過ごしてしまうなんて。 

 外は雨。外出する気分になれない。家で原稿を読み直したりして過ごす。 

 その後、やっぱり一日家にいるなんてのは良くないと思い、夕方から外出する。少しでも外を歩かないといけないと思う。歩かないと、どんどん足が悪くなってしまいそうだからだ。 

 外を歩いても、結局、電車に乗り、高槻に出る。あとは職場で過ごす。原稿を読んだり書いたり、本を読んだり勉強したりして過ごす。これじゃ家にいるのとあまり変わらんなと思いつつ。 

 

 職場にて、2回も電話が鳴る。取るとFAXだった。いきなりFAXを送りつけるような人たちとは関わりあいとうないと思い、ストップする。案の定、無関係のFAXだった。こういうのが鬱陶しい。 

 

 本はラカンの『パラノイア性精神病』を数日前から読み始めている。以前、読んだきりになっていた本で、とかく難解だという印象しか残っていなかった。以来、ずっと書架に眠り続けているという本だ。 

 今回読み直してみると、前回よりもよく分かる部分が増えている。それでも、難解なことに変わりはないが。 

 これを読むには、まず、ある程度の精神医学の知識が必要だ。この点は以前よりも増えた気がする。 

 次に、文章の問題がある。おそらく原文がそうなのだろうけど、少々凝った文章が多い。文章をしっかり読み解くようにしないといけないが、それでも意味がよく伝わらないという文章もチラホラあった。 

 最後にフランスの精神医学という問題がある。日本の精神医学はドイツをモデルにしているわけで、ドイツとフランスでは一部異なるところがある。例えば、フランスでは解釈妄想という分類があるけど、それはドイツにはなく、従って日本でもそういう名称は使用されない。そのような、フランスの診断分類にはあるけど、日本にはそれがなかったり、別の名称が用いられたりするものがあるので、馴染みのない名称に遭遇してしまうのだ。 

 上記のような要因が本書を難解にしているという面があると思う。 

 

 難解な本に取り組んでいると疲れてくる。それで軽く読めるようなものを読もうと思い立つ。最初はミステリ系のものをと思ったけど、結局、戯曲を選ぶ。イプセンの『幽霊』という作品だ。いつだったか、古書店で叩き売りされているのを安く買って、手付かずのままになっていた本だ。 

 さて、これを読み始めると、あらたいへん、どうにも止まらなくなってしまったのだ。三幕ものの戯曲だけど、一幕目を帰宅前に。ニ幕目を駅の喫煙ルームで。三幕目を帰りの電車の中で読んだ。それだけ面白かったのだ。これはぜひ読書評に挙げなければと思っている。 

 

 帰宅する。母がオムレツを作ってくれていた。オムレツといえばワサビであるが、今日はワサビストを控え、普通にケチャップで食する。 

 その後、コスミック出版の『ゾンビの世界』より、未鑑賞のものを観る。今日観たのは『歩く死骸』という作品だ。ボリス・カーロフ主演で、この人も顔に力があるな。特にその鋭い眼光は悪夢に出てきそうだ。 

 

 と、今日はこんな一日だった。午前を無為にしてしまったのが悔やまれるが、それなりに悪い一日ではなかった。何より、イプセンが収穫だった。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

関連記事

PAGE TOP