11月13日(水):トランプ暴走
夜勤明け。一緒に入っているおばさんにキレそうになった。仕事が遅いとか、使い物にならんとか、そういうのは許せる。仕事は僕がする。ただ、僕の足を引っ張らんといてくれ。その人以上の仕事量を僕はこなさなければならないんだから。
案の定、時間内に作業を終えることはできなかった。入荷品だけ片づけて帰ったけれど、それ以外の業務は一切手つかずだ。もうしょうがない。パートナーが悪いのである。その人が、少なくとも一人分の作業を担ってくれていたら、もっと多くのことがこなせたのに。上を目指さない人間とは付き合い切れない。
むしゃくしゃした気持で帰宅する。本当は職場に行って、大掃除に取りかかる予定だった。でも、夜勤の終了がおそくなったのと、疲労困憊したのとで、中止だ。帰宅して寝るものの、気持が騒がしくてなかなか寝つけず、ぐっすり寝た気持もしない。今、こうして書いているさなかでも、あのおばさんへの憤りが込み上げてくる。
午後からサイト作業に取り掛かる。グーグルの方の原稿を6ページばかり公開する。少し前に書いたものだけれど、未完成だった。それを校正し、添削し、一応の終了をさせて順次公開した。分かってはいたけれど、1ページは削除された。このまま公開したらそうなることは分かり切っていたけれど、もう書き直す気もなかったので、そのまま公開したのだ。
ワイドショーでトランプのことを言っていた。ロシア・ウクライナ戦争を終結させようという試みは評価しなければならないところなんだけれど、その手法がひどい。
僕が一番危惧しているのは、ロシアが占領したウクライナ領はロシアのものとして認めるという判断だ。僕は、これは当然ウクライナに返却すべきだと思う。戦争前の状態に戻さなければならないことだと思う。その領地に生まれ育った人は、故郷を失ったままだ。それを考えると、ロシアはそれを返還すべきだと思う。
おそらく、トランプの考えはこうだ。そこはロシアが力で奪い取ったものだからロシアのものだ、という思考回路なのだと思う。この思考に基づけば、北方領土もロシアのものである。
武力行使して奪い取ったらその国の国土になるなんて、時代に逆行しているとしか言いようがない。かつての植民地時代に逆戻りするつもりだろうか。先進国が途上国を植民地支配していた時代があった。その後、植民地支配していた土地はその途上国に返還された。当然のことだと思う。トランプはその当然さが理解できないのだろう。
そして、武力行使による国土の奪取が認められるのであれば、軍事力のある国が支配できることになる。仮に、日本がどこかの国に攻められる事態になったとしよう。武力では日本が劣位にあるとしよう。日本は侵略の脅威にさらされることになる。そこで同盟国の援助を得ようとするが、その同盟国でさえ自国の軍備を疎かにできないのだから、援助は期待できなくなる。そうして武力の低い国は強国に支配されることになってしまう。トランプの判断はそういう事態を招きかねないのである。
今のは軍事力の話であったが、経済力であっても同じ判断が下されうるだろうと思う。もし、日本の国土を中国の富裕層が買ったとしよう。トランプ流の思考でいけば、その土地はその中国人が金で買い取ったものだから、その土地は中国のものとして認めるということになる。理不尽な話である。この理不尽さがトランプには理解できないのだろうと僕は思っている。
僕にはトランプの政治は、力のあるものが力のないものを食い物にすることを積極的に許容するものであるようにしか見えない。トランプの言う「力」とはそういう類のものではないだろうか。そして、その力の獲得のためには、地球温暖化も環境破壊もどんどん推し進めていくつもりなんだろうと思う。
トランプは大統領になるべき人間ではなかったと思う。一介の不動産王で人生を終えてほしかった。ビジネスから引退して、悠々と老後を送ってもらえたらどれほど良かったであろうか。今後ともトランプが暴走するかと思うと恐ろしくなってくる。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)