11月10日(金):「締め出される夢」
昨日、クライアントと夢の話をした。僕は毎日のように夢は見ているのだけど、以前のように、毎日公開するようなことはなくなった。それをやるとたいへんな作業量になるからである。だから、現在では特定のテーマに絞って公開するようになった。
まあ、たまにはテーマ以外の夢を取り上げてみるかと思い、ここに記す。
(夢)「締め出される夢」
どこかに行こうとしていたのか、僕は市内を歩いている。ある建物の前に立つ。僕は昔ここで働いていたのを思い出す。ビルの5階だったのを思い出す。懐かしくて、行ってみようかと思ったが、柵がしてあって、建物の中には入れなかった。
仕方がないので諦め、再び歩き出すと、何かの作業を思い出した。その時、この近所に母校があるから、その地下の自習室を拝借しようと考える。
母校に着く。校舎に入る。途端に先生らしき人に声をかけられ、部外者は入ってはいけないと言われ、学校から締め出される
(連想と感想)
以上が今朝観た夢であるが、全体の一部分である。確かその前後の部分もあったはずなんだけど、忘れてしまう。
市内というのは京都市内のことだ。最初の建物は僕の通っていた高校の校舎を思い出させる。感じが似ていた。
しかし、ここは僕の昔の職場があったところだということになっている。5階という数字は、正直言って、何も思い当たらない。現在の職場は3階だし、以前の職場も5階というのはなかった。どうして「5」なのかがさっぱり思い至らない。
ここで最初の締め出しを食らうことになるのだけど、建物の入り口のところに柵がしてあり、中に入れなかった。建物に入れないということは、どういうことだろう。所属感や帰属感の喪失だろうか。どこにも所属させてもらえないということだろうか。
二度目の締め出しは母校である。夢に登場する母校は現実の母校とまるで様子が違う。最初の建物の方が母校を思わせる。
地下に降りていく。通常なら、深い部分、心の深層に下りていくといった連想を思い浮かべるところだ。しかし、これは中断される。先生に止められるからだ。この先生は高校時代の先生にそっくりだった。
昔の職場と母校、この二つから締め出された夢だ。どちらも過去に関することだ。過去から締め出されるかのような感覚があった。その一方で、過去に浸ってはいけないという感じもしている。
また、一方は上(5階)、他方は下(地下)である。そのどちらにも行く手が遮られている。上にも行けず、下にも行けない。どちらにも行かせてもらえない。それは窮屈ではあるが、上にも下にも行かず、足を地に付け地上に留まることなのかもしれない。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)