10月8日:不満足な勤務 

10月8日(日):不満足な勤務 

 

 昨晩から今朝にかけてローソンでバイトだ。そのまま高槻に出てサイト関係の作業をしようという計画だったが、無理だ。無性に疲れてしまい、帰宅して寝ることにした。 

 

 昨晩、パック牛乳の値段が違うといって苦情を言うオッサンがいた。なるほど、プライスカードが値上がり前のもののままだったようだ。カードには170円と記載されていて、レジでは180円になっているので、それでオッサンが怒ったという次第だ。 

 ここ最近、商品の値上がりが続いている。値が上がるたびにプライスカードの付け替えを店員がすることになる。これはどこのお店でも同じである。そして、付け替えが追い付いていなかったり、以前のものがそのまま残っているということもある。僕も他店で2,3度それを経験したことがある。 

 まあ、170円のつもりでレジに持っていって、レジで180円ですと言われたら多少は不愉快な気分にもなるものである。それならそれで「じゃあ、やめます」と言えば済む話である。いちいち怒る方がどうかしてる。 

 そのオッサンはいちいち怒るわけだ。プライスカードに書いてある値段にせんとおかしいと言って粘る。そのカードの付け替えのミスに関しては僕は頭を下げるけれど、その無茶な要求には答えられない。 

 と言うのは、値札は店の管理であるが、商品の値段は店が決めているわけではないからだ。ここの区別がついていると、このオッサンの要求が無理難題であることが容易に見て取れるだろうと思う。 

 本音を言うと、もう少しオッサンを怒らせたかった。そして、オッサンが失言や暴言を吐いたら反撃に出てやろうかとも思っていた。だけど、そこまで至らず、怒りながらオッサンは出ていった。中途半端なオッサンだ。 

 オッサンはそうして怒っておったのだけれど、不思議と僕の方は何の感情もなかった。最初だけ「それは悪かったですね」といった気持ちもあったが、やがて「早よ帰らんかいな」などと思っている自分もいた。苦情を言うオッサンをどこか冷めた目で見ていた。だからオッサンの言葉もほとんど耳に入っていない状態だった。 

 オッサンが出て行ってからも、僕の方は何事もなかったかのように仕事に戻った。僕の性格が穏やかなのではなくて、無感動なのだ。僕はそういう自分の心配をする。 

 

 その他、一番くじをしつこく引きまくったカップルもいたな。どうしてもA賞が欲しいらしくて、A賞が出るまで引き続けた。3,4回ずつを繰り返し繰り返し引いてようやく当てたのだ。 

 A賞はフィギュアだ。彼らは20回くらいはくじを引いたんじゃないかな。まあ、個人の趣味なので何も言わないけれど、一万円以上も投資する価値があるのかなとも思ったりする。店はそれで儲かるけれど、なんか、見ていて虚しい気持ちになる。 

 言うまでもなく、先ほどのオッサンのようなことを言うつもりはない。このカップルは二人とも感じのいい人たちだった。 

 

 ああ、そうだ。ココアのお客さんには悪いことをした。先述のオッサンには何の気持ちも湧かなかったのに、こちらは後々まで引きずった。 

 ホットココアを注文されたのだ。僕はココアを入れて、コーヒーマシンにセットした。何かおかしい。量が合わないのだ。後から気づいた。ココアはホットとアイスでは材料が違うのだ。僕はアイス用のココアでホットを作ってしまったのだ。 

 ローソンはこういうのが嫌だ。ココアならココアでホットもアイスも統一してくれたらいいのにと思うのである。とかく、ローソンの作業は煩雑だ。 

 

 どうも今日の仕事は上手くいかなかった。明け方頃になると嫌気がさしてくるようになっていた。こういう時はタバコの一本でも喫って気分転換したいところである。 

 ワンオペなので、店内をお留守にするのも気が引けるのだけれど、こっそり表に出て喫煙しようと計画する。最初の試みは、外に出た途端に駐車場に車が止まった。絶妙なタイミングで客が来たのだ。僕は深呼吸して、体操するフリをしてごまかす。2度目の試みも同じような結果になった。今日はダラダラとした感じで客がやってくる。3度目の挑戦でようやくタバコにありつけた。あの時の一服の至福なこと。 

 

 コンビニなどには付き物だけれど、食品ロスを見ると心が痛む。セブンの方は持ち帰り禁止だけれど、このローソンは75%オフで購入することができる。クルーの特権みたいなものだ。 

 僕はそれを買わないことにしている。買ってやった方が食品ロス削減につながるのだろうけれど、個人的に買わないことに決めている。もちろん他のクルーさんが購入するのは構わない。僕の個人的な決心を人に押し付けるつもりはない。 

 なぜ買わないかということなんだけれど、それをすると、商品が廃棄になって喜びそうになってしまいそうだからだ。本当は悲しむべきところなのに、売れ残った方が得という感覚に陥りたくないからである。 

 

 まあ、そんなこんなで、今回の勤務ではいろんなことが起きた。僕の中では不満足しか残らなかったけれど、もうどうでもいいや。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

 

 

 

 

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