10月10日:営業未経験 

10月10日営業未経験 

 

 昨日書いたように、僕は営業を経験したことがない。今になって、それがけっこうマイナスになっているなと感じる。 

若い人は、就職して最初に営業に回されたりする。それがいやで辞職する人もあるし、営業職だけはいやだと初めから拒む人もある。その気持ちが分からないでもない。でも、それももったいない話だと僕は感じる。営業なんて、門前払いを食らうことも度々あるし、何十件に一回くらいしか話を聴いてもらえないことも多い。話を聴いてもらっても、買ってくれるとは限らない。それでいてノルマだけは課せられているという、なんとも否定的なイメージが持たれるだろうと思う。 

ところが、僕たちは結局は営業マンなのだ。そう思う。人間関係はお互いの売り込みで成立するという部分がけっこうあるなと最近は思う。グループの中に気に入った異性や友達になりたいというような人を見つける。その時、その相手に接近して、自分を知ってもらおうといろいろ試みる。これは営業しているようなものだ。自分の何かを売り込もうとしているのだ。 

面白いことに、営業はしたくないという人に限って、人間関係が苦手だと言うことが多い。僕の勝手な印象だけれど。でも、それもよく分かるという気持ちになる。営業も人間関係の形成も、どちらも同じようなことをしているのだ。片方は商品やサービスをアピールし、売り込んでいるわけだ。もう一方は自分の長所や魅力をアピールし、売り込んでいるわけだ。売り込むものは違えど、やっていることは案外差異がないのかもしれない。 

どういうものを、どういう相手に、どのように売り込むか、どのようなアピールを展開するか、営業の仕事をしていたらそういうことをもっと学べていたかもしれない。今さらながら、僕はそれらを学び始めている。経験していないということは、とても大きな不利だと、つくづくそう思う。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

 

 

 

 

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