1月5日(土):電車でカックン 

1月5日(土)電車でカックン 

 

 昨晩、仕事を終えて、今夜こそぐっすり眠ろうと、一杯ひっかけてから帰宅した。飲んでいて、いい感じで眠たくなってきて、これなら帰って熟睡できるぞと思った。 

 電車に乗る。席が空いていない。僕はつり革につかまって立っている。いつの間に眠っていたのだろうか。僕はその場にカックンとくずおれたのだ。地べたにくずおれて初めて寝ていたということに気づいたのだ。立ちながら眠るなんて、それも知らず知らずのうちに寝ているなんて、よっぽどだなと自分でも思う。 

 

 まあ、それよりもカックンとなった時、ものすごい視線を感じたね。確かに、普通に立っていた人がいきなりその場にくずおれたら、その場にいる人たちはびっくりするだろうね。僕は思い切り注目を浴びてしまった。 

 正月の寝不足が今頃応えている。昨日と今日はとても眠気に悩まされ通しだった。これを書いている現在も眠たくてしょうがない。 

 ちなみに、この文章は、今日仕事を終えて、夜、いつもの喫茶店で書いているのだ。眠たいのなら早く帰って寝ればいいのにと言われそうだ。 

 確かにそれが正しい。でも、どういうわけかそうならないのが自分でも不思議だ。帰って寝たいのだけれど、いや、まだ今日を終えるわけにはいかないとか、まだ今日を満足していないとか、やり残したことがあるとか、そんな感情が僕の心の中で渦巻いているのだ。困ったものだ。下手をすると、今日は徹夜で書き物をしてしまいそうな、そんな雰囲気が漂っている。 

 

 それと、今年は極力本を買わないでおこうと決めたにも関わらず、今日、二冊購入してしまった。高槻に土曜日だけ店舗が開く古本屋がある。僕のお気に入りの店だ。そこにふらりと足を踏み入れる。買ってしまった。一冊はホメロスの「イリアス・オデュッセイア」だ。この有名な叙事詩は前々から手を出そうかと迷っていた。今日、思わず衝動買いして、手を出してしまったのだが、手を出してから、手を出したことを少し後悔している。ああ、とても最後まで読み切る自信がない。24巻から成る「イリアス」の2巻目まですでに読んだ。読んでみると確かに面白い。でも、文章がどうしても回りくどくて、読むのに骨が折れる箇所もいくつかあった。上下二段組みで活字がびっしり詰まっている。それが600ページもある。うう、気が遠くなる。まあ、気長に読むか。 

 

 速読をする人もあるが、僕はそれほど読むのが速い方ではない。むしろ本によってはゆっくり読みたいと思うものもある。文学作品など、読む速度を競っても何もならない。「イリアス」も一日に1,2巻ずつ読んでいくことにしよう。 

 文学作品で思い出した。吉川栄治や室生犀星の作品がネットで無料で読めるようになったらしい。没後50年を経て、著作権が切れたとかいうことらしい。無料で読めるのは魅力だが、やはり文学は書物の形で読むに限る。 

 石版に刻んだ時代から巻物の時代を経て、書物の時代があり、これからはネットの時代となるのだろうな。そんなことを考えていた今日、世界最古の文学作品を読み始めたというのも何かの縁かもしれないな。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

 

 

 

 

 

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