1月4日(金):かつてできたこと
今日から通常の営業に戻す。昨日は半日だったけど、今日はフルタイムだ。病み上がり(かどうかも分からないけど)なので、こなせるかどうか朝から心配だった。仕事が入っていないのは不幸中の幸いで、しんどくなったら休もうと決める。当面は無理をしないように気を付けようと思う。
イプセン『民衆の敵』を朝から読み始める。昨年の12月の古書店でまとめ買いした際の1冊だ。
出勤のお供にするも、読み始めると止まらなくなった。高槻市駅に到着しても、本を置くことができず、喫煙室に入って、一心不乱に読み耽る。
キリのいいところで一旦本を閉じる。喫煙室内に酒飲み知人がいることに気づく。本に夢中で僕はまったく彼に気づいていなかった。挨拶くらいしようかしらと迷ったが、今年は引きこもることを目標にしているので、そっと彼の傍を通り過ぎた。彼の方も、おそらく今日から出勤なんだろうけれど、スマフォでメールか何かを打ち込んでいる。邪魔をするのも悪いという気持ちもあった。
職場に着。室内は仕事のできる状況に非ず。これを今日中に片付けてしまう。そういう計画である。
しかし、早速、トラブル判明。ええ加減にせえよ、と思いながら、トラブル処理に奔走。最悪の場合、午前中いっぱいはそれの処理にかかるだろうと見込んでいたが、これまた不幸中の幸い、このトラブルを予期していたわけではないけど、万が一のために僕の方で用意しておいたものがある。これのおかげで、このトラブルは比較的速やかに処理できた。まあ、本当に処理できたのかどうか確認はできていないのだけど、何とかなった。
要するに、朝からバタバタしてしまったわけだ。少し早いけど、一段落ついたので昼食にする。
昼食後に体操、リハビリ運動、ストレッチ、筋トレと、体を鍛える計画を実行した。食前にやっておくべきだったといささか後悔する。吐きそうになる。
しかし、ストレッチをやって気がついたことは、最近、手が届かなくなったなと思う身体部位に手が届いたことだ。
別になんてことはない。以前は普通に手が届く部分だったのだ。運動不足で体が硬くなって、そのために届かなくなっていたに過ぎない。かつては普通にできていたことだ。
かつてできていたことを再びできるようになることは、新たに身に着けることよりも、はるかに容易である。ここはクライアントにもわかって欲しいと願う部分である。
かつての良かった自分を取り戻すことの方が、新たな自分を形成することよりも容易なのだ。かつてのものを取り戻した上で前に進めばいいのだけど、人によってはその逆の手順を踏みたがる。それはちょっとばかりしんどいやり方である。
どうにかこうにか、一日を終える。
風邪に関しては、熱は下がっている。こまめに体温を計測するけど、37度を超えることは一度もなかった。にも関わらず、鼻とのどは相変わらずであり、時々、頭がクラクラするといったことに襲われる。寒気にも襲われるが、これは熱のせいか、現実に寒いせいか、判然としない。再び発熱するかもしれず、要注意だ。
夜は高槻の町を少し見て歩く。新年の感じをよく見ておく。人は少なく、寂しい限りである。
バーのマスターとバッタリ出くわす。新年のあいさつをする。そうか、彼のお店はもう営業しているのか。ちょっとだけ顔を出そうかなと思ったが、イカンイカン、今年は引きこもるのだった。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)