1月2日(金):初詣
初詣をする。甲山神呪寺と決めていた。ここへは年に数回参拝している。今年は正月から参ろうと前々から考えていた。
神呪寺は融通の神様ということらしい。別に拝金主義ではないが、お金が巡るということは経済に欠かせないことだし、それは身体で言えば血液の循環のようなものだと思う。僕自身にお金が貯まるということよりも、社会全体にお金が巡ってほしいと願う。
そのこととは別に「神呪寺」という名前がいい。むしろこっちの方が僕の参拝の理由としては大きい。「呪」の字は、昔は「言葉」を意味していた。だから「神の言葉の寺」という名前で、なんだか神仏にとても近い感じがするからだ。
この参拝には僕なりのルートがある。阪急仁川駅から歩くのだ。坂道を上り、丘を一つ越えて、山間の道を歩く。いつもなら甲山をわざわざ登山して、神呪寺の裏手から入る。前日の雪が残っているだろうと思ったので、今日は登山は中止して、神呪寺へは正面から入った。
お参りをして、融通小判を買う。いつも財布に入れている。その融通小判がいっぱい置かれて、販売されている。手に取ったのを買う。どれも同じものだとは思うけれど、そこで選んでしまうと、どこか人為的な要素が混ざってしまうような気がしてしまう。そうなると、どこか穢れてしまったような感じがしてしまうのだ。僕の迷信みたいなものだ。
そこから甲陽園駅まで歩いて降りる。けっこうな住宅街だ。山手の家って、憧れるけれど不便そうだとも思う。
意味もなく十三駅で下車する。十三はあまり縁がない土地で、詳しく知らない。電車から商店街が見えるので一度行ってみようとは思っていた。今日はついでだから見ておこうと思い立つ。
お昼を食べていないので、さすがに空腹に襲われていた。食事をする。その後、ちょっと一杯ひっかける。安くて、なかなかいいお店と出会ったなと思う。
アルコールが入ると、今度は急激に眠気に襲われる。深夜番組を見る予定だったけれど、とてもその時間まで起きていられそうにないので、友達に録画を頼む。
帰りの電車で熟睡してしまう。帰宅して、布団を敷いて、本格的に寝る。
その深夜番組とは「芸人ブローカー」で、0:45開始だった。ふと目が覚めて時計を見ると、0:30だった。これは見れると思い、起床する。前々から見ようと決めていて、そのことがどこか潜在意識にあったのだろうか。
毎年、この番組は見ている。年末年始の番組はどれも同じような顔ぶれで似たような内容ばかりだ。この番組だけは、出演者が他の番組とかぶらない。そこがいい。面白い面白くないは関係ない。どの番組にも顔を出しているような芸人さんは、面白いかもしれないけれど、いい加減、見飽きるというか、辟易してくる。テレビになかなか出ない人たちを見るというのも、却って新鮮に感じる。
番組を見終わって、午前3時ころ。今度は目が冴えて仕方がない。それでこの日記も書くことができた。
外出時間が多かったので、あまり本は読んでいない。昨日着手したジョン・ブラックバーン『リマから来た男』は電車の中で完読した。
体が重たくて歩けるかと思ったけれど、案外、よく歩けた感じがする。最初の歩き始め、動き始めをとにかく克服することが肝要だと思う。
また、今日は時間を計りながら歩いた。思っていたよりも時間がかかっていないと分かった。長時間歩いているようで、実際にはそれほどの時間ではなかった。長時間歩かないといけないだろうなとか、そういう負担を予測してしまうのも良くないと気づく。やってみればそれほどでもなかったりするものだ。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)
(付記)
この頃は、その日にやったことをダラダラと記述していた。日記として書いていた。一日の記録を残しておこうという気持ちが強かったようだ。
(平成29年2月)