1月11日(土):巡り会う書物
探している本がある。いつも僕の頭の中にそういう本が数冊ある。今、探しているのはアンドレ・ジッドの小説と分裂病に関するある書物だ。昨日は梅田で、今日は高槻の古本屋で探す。
しかし、今探している本は見当たらず、その代り、かつて探していた本に遭遇してしまった。迷ったけれど、またいつか探すようになるからと自分に言い聞かせ、いや、自分に都合よい理由をあげつらってと言うべきか、購入した。
ルソーの「告白録」とオルポートの「人格心理学(上下)」、それにウイリアム・ジェームスの「心理学(上下)」である。
オルポートと言えば、一昔前の心理学者だけど、人格、パーソナリティ研究の第一人者で、僕は一時期彼の「パーソナリティ」を熱心に読み解いていたことがある。オルポートの代表的著作である「パーソナリティ」から、次に「人格心理学」へ進もうと計画していながら未達成のまま現在に至っていたのだ。
古書店で「人格心理学」を目にした時は、なんだか旧友に再会したかのような気分だった。思わず購入してしまったけれど、昔のようにこれを熟読する余裕と根気が今の僕にあるだろうか。
同時にルソーの「告白録」にも手をつけてしまった。なかなか凝った文章だと思う。ああ、しかしこの大きな書物を読み切れるだろうか。そんな心配ばかりが前に出てくる。
ジェームスの「心理学」は、まあ、これは読んでも読まなくてもいいくらいの気持ちで購入した。ジェームスの弟子であるジョージ・A・ミラーの「心理学の認識」は学生の頃に熱心に読んだ。ミラーのその本はジェームスの「心理学」を踏まえて書かれているそうなので、何となく、ミラーを読んだからそれでいいかという気持ちにもなっている。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)
(付記)
ルソーはかろうじて読んだのではないかな。オルポートの方は部分的に読んだ。ジェームスの本は、さらに断片的に読んだ程度だったと記憶している。分冊されているような大著はなかなか読もうという気力が湧かなくて困ってる。
(平成28年12月)