8月7日(水):怒りっぽさ
相変わらず暑い日が続く。今日は日中、少しだけ外出したのだけれど、暑さに参った。本当に年々夏が厳しくなる。いや、冬も大概厳しかったな。生きること自体が厳しくなっているかもしれない。
今日のクライアントから怒りについて考えている。まあ、これはいつも考えているテーマではあるのだけれど、再度、考える機会を作った次第だ。
怒りというのは厄介な感情だ。これは当人だけでなく、周囲にも伝染する性質を持つ。イライラしている人のそばにいるだけで、こちらもイライラしてくるなんて経験はみんなしているんじゃないかと思う。
本人が怒りっぽいだけなら、何の問題もない。一人でキレているだけなら、とやかく言う必要もない。問題にもならないことだ。しかし、これが親しい人との間で生じると、いろんな困難とか軋轢とかが生まれる。
それで人は怒りをコントロールしようなんて大それたことを考えるわけだ。怒りのコントロールほど本筋から外れた行為はないのではないかと、僕は個人的にはそう思う。そして、怒りのコントロールをしようという人ほど人間として低格である。と言うのは、それは人生から自分自身を疎外していく行為になっていくからで、これができる人は人間であることを放棄できる人である。
怒りはコントロールするのではない。それをしたがる人が間違えているのは、怒りを少なくすることだけを考えているという点にある。実は、他のあることを増やせばいいのである。それが何であるかはここでは言わない。
どうして言わないかと言うと、それを増やせばいいのかと、意図的にそれを増やそうとする人が現れるように思うからである。しかし、それは意図的に増やせるものではなく、自然に増えるものなのである。意図的に増やそうとすると、却って逆効果になるかもしれない。
何が増えるといいのか。それはこれをお読みの方それぞれがお考えになればいい。一つだけヒントを言うと、それは小学生でも知っていることなのである。しかし、小学生はそれを知っているということを知らない、もしくは意識できていないのである。恐らく、誰もが分かることだと思う。心理学の知識なんてまったく必要ないのである。
なんか、謎めいたことを綴っているけれど、この話はこれくらいにしておこう。読者銘々の宿題にでもしてくれればいい。
滝川クリステルさんが結婚。まあ、一応、おめでとうくらいは言っておこう。僕はまったく興味がない。クライアントの話によると、今日はそのニュースでもちきりだということだ。他にニュースはないのかね。
原爆投下から74年ということで、今朝のワイドショーではその話題が取り上げられていた。この時期、毎年のことだけど、戦争の話題が復活する。
僕は戦争に興味がある。と言っても、戦争をしたいとか、戦場で戦いとか、そういう意味ではない。戦争という行為に興味があるということだ。戦争とはどういうものであって、どういうものではないのか、研究したいと思っている。
実は、これは僕の老後の夢の一つである。もっとも、僕に老後があるとすればの話なんだけれど。カウンセリングの世界から引退したら、僕は戦争を研究したいと考えている。
もう一つ、中世の魔女裁判のことも研究したい。戦争と魔女裁判、人間の歴史の暗部である。それをしっかり見ていきたいと考えている。人間にどれだけの悪があるか。どれほどの残忍さを持っているか。人間の正体を見極めることができれば、あとはそのまま墓に入ってもいいと、そんなことも考えている。
考えているだけで、それはまだ先のことになりそうだ。今は、取り敢えず、日々を生きていこう。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)