8月29日:豊かさ
今朝は少しばかり寝坊をしてしまった。昨夜は酒を飲んで、そのためか非常にぐっすりと眠ってしまったようだ。夢をみたけれど、その夢は別に記す。
先日、フィリップ・K・ディックの「タイタンのゲームプレイヤー」を読み終えて、次に何を読もうかと考えていた。キース・ローマ―の「時の罠」に決める。昔、SFに凝り始めたころに乱読した一冊だ。内容はもう覚えていない。分量的にもちょうどいいので、今回読み直すことにする。
今日の予定は、午前中に空き時間があり、原稿を書いて過ごす。サイトの方の原稿だ。何度も書き直している。書くことは決まっているのだけれど、なかなか上手くまとまらないし、適切な言い回しが浮かんでこなくて、言いたいことがうまく表現できないもどかしさを感じている。
午後からは仕事と予定が入っていた。夜は空いていたのだけれど、急遽、新規のクライアントが入った。今日はけっこう忙しい日になったな。また、以前来られていたクライアントから再度面接の申し込みがあった。これもまた嬉しいかぎりだ。
クライアントとの出会いも不思議なもので、一目見た瞬間から、この人は好きになれると直感的に感じる人もある。今日、新規のクライアントもそう体験した。入室された瞬間に、この人とは面接を続けていきたいと僕は感じた。
クライアントをどれだけ好きになれるか、それが毎回僕に突きつけられているテーマだ。相手を人として好きになるということ以上に、相手に対する尊重はないだろうと思う。僕がどれだけ人を好きになれるか、毎回試されているように感じている。
今夜は夜勤だ。店長に対する恩と義理から今も続けているけれど、本当はすぐにでも辞めたいと思っている。そちらにはもう興味が持てないのだ。熱意を傾ける気にも今はなれない。そこは僕が生きる世界ではないのだと、最近は特に感じている。
バイトの人たちはいい人たちで、おかげさまで僕も仲良くしてもらえている。彼らのことは好きだけれど、この仕事に時間とエネルギーを割くことが難しくなっている。そろそろ潮時だという感じがしている。11月にはきっぱり辞めようと考えている。
何か新しいことを始めたいとも思う。昨日来られたクライアントのことを考えていて。DVに関して、特にその「加害者」側の人のために何かできないだろうかと考えていた。何かセミナーのようなものを開催しようかと考えている。
その内容はともかく、もっと人の前に出なくてはいけないと思うようになっている。また、多くの人に対して開かれた職場にする必要があるとも考えている。
朝、ワイドショーを見た。消費税の引き上げのことをやっていた。恐らく、消費税は引き上げられるだろう。消費全体が上がらなければ、消費税だけを引き上げても何の解決にもならないだろうと僕には思えるのだけれど、「有識者」(一体、どういう人のこと?)の見解は引き上げを容認している方向にある。まあ、引き揚げに決定されるだろう。
消費税が上がると、それだけ人の暮らしは厳しくなる。消費税は誰もが支払うことになるからだ。小学生の子供でさえ、20円のお菓子を21円払って購入するのだから、老若男女関係なしに支払う税金だ。
結局、稼いでも、税金で持って行かれる分が多くなるのなら、金をどれだけ所有していても、それが直接的な豊かさにはつながらないだろうと僕は思う。多く持つ人は、それはそれで悩みの種が多いものだ。
自分が豊かであるか、満たされているかということは、純粋に心の問題だと僕は思う。生き辛い世界だからこそ、僕たちは心の豊かさや心の平安を身に付けていく必要があると思う。短期間で財産を築いたというような成功者は、僕から見ると、成功者ではない。彼らは単に運が良かっただけかもしれない。次の時期には転落しているかもしれない。そういう成功は、一時的であるかもしれない。負け惜しみのように聞こえるかもしれないけれど、金持ちは必ずしも幸福とは言えないものだ。僕はそう思う。経済的成功は、人生の成功とはまた違う種類のものかもしれない。
(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)