７月３１日：散財の日
今日で７月も終わり。バイトの給料も入ってくる。おまけに、今晩はフリーだ。前々からこの日の夜を心待ちにしていた。
フリーになったのは僕の手違いからだ。この日は予定が入るかもということでバイトのシフトに入れなかったのだ。予定が入らなかったことが判明してからバイトのシフトに組んでもらったらよかったのだけれど、そのまま忘れてしまっていた。だから今夜はフリーということになったわけだ。
それにしても今月、夜勤の休みが三日もあった。すこし休み過ぎだ。来月はもう少しだけ頑張ろう。ということで、来月からは忙しくなるから（という口実で）、今晩は遊びに行くぞと決めていた。
とは言え、今日も今朝まではバイトしていた。朝７時までだが、３０分ほど延び、その後もやり残したことをやってから店を後にした。８時くらいになっていたのかな。
それから高槻の職場へ向かう。９時近かったように思う。でも、今日に関してはそれがちょうどいい時間だった。その足で銀行に向かう。支払いその他で４軒の銀行を回る予定だった。銀行の込み具合で半日仕事になる場合もあるのだけれど、今日はすべて順調にいった。４軒ともほとんど待ち時間がなく、スイスイと用を片付けることができた。
遅い朝食をとって、少しばかり仕事をする。と言っても、サイト関係のことをするだけだが。グーグルのビジネスページで高槻カウンセリングセンター便りを再開している。すでに書いてある原稿で、公開先が未定だった原稿を公開する。すでに出来上がっている原稿を、読み直して、少しばかり手直しして公開するだけだから、すぐにできた。
その後、仮眠する。ここで寝ておかないと今晩がキツくなるなどと考えながら。
午後の３時ころ、矢も楯もたまらなくなり、行動開始。
どこか、軽く飲めるとこでもないかとあれこれ思案するも、近所のじゃんぼ酒場に決まる。あれまあ、このお店はずいぶん寂しくなったな。午後の時間帯でももっとお客さんが入っていて繁盛していたはずなのに、広い店内、客は僕ともう一組だけだった。その一組もすぐに帰ったので、店内は僕だけになった。
なるほど、まず値段が上がったな。まあ、それは仕方がないと諦めることはできる。なんでも物価高騰しているのだから。それよりも注文のシステムだ。スマフォでQRコードを読み取って注文するというやつだ。これをやると高齢者が来なくなると僕は勝手に信じている。サイゼリアも同じやり方をしているけれど、サイゼリアの方が分かりやすい。ジャンボの方はなにかと見にくいしやりにくい。こういうところでお客さんが減っているのかもしれないな。
ジャンボ酒場を後にすると、よく行く立ち飲み屋へ顔を出す。「また来る」とか「来月は絶対に来る」とか言っていつも帰るのだけれど、いいかげん「くるくる詐欺」と思われているだろうな。今日は顔を出しておくか、軽く２杯ほど飲んで、小鉢ものを一つつまんだだけで終わる。
そこの店員さんから「オリンピック観てる？」と問われて、「興味ねえ」で片付けたのは悪かったかな。そもそも、オリンピックやってることさえ忘れていた。
立ち飲み屋を後にする。次はどこに行こうか。今夜は散財してやるぞと活き込んでいる。この時間になると、あちこちの呑み屋が開きだす。その辺を歩いてみるが、これといって行きたい店もない。
仕方がない、帰るか。
駅に向かう。途中下車しようと思い立つ。もし、長岡天神の古書店が開いていたら下車しよう。電車内で僕はシートに座る。その古書店は窓から見える。電車がそこに近づく。僕は上半身を横向けて窓を見る。全然気づいていなかったのだけれど、僕の隣に小学生くらいの女の子が座っていて、その子の方に上半身を向ける形になってしまった。う～む、変質者と思われとるかもしれんな、などと思い、気まずくなる。でも、その古書店は営業していた。
古書店に入る。止せばいいのにCDなんかを買ってしまう。５０年前のキネマ旬報が３冊ほどあって、思わず買ってしまう。映画も観たいが観る時間もない。せめて読むくらいはしよう。
その古書店を後にすると、毎回行くところがある。パチンコ屋である。そこで何をするかと言うと、喫煙所で一服するだけである。時にはそこで買った本を読み始めることもある。一服しながら、さて、次はどこへ行こうと考える。行く当てもない。
長岡天神駅周辺を歩く。ああ、鳥貴族がある。ここにしよう。焼き鳥が食いてえなとはしばらく前から思っていたことなので、ちょうどいい。
鳥貴族も禁煙だ。注文は備え付けのタブレットからする。ジャンボ酒場よりもましだな。かくして焼き鳥を食することになったものの、あまり美味しいとは感じなかった。これは鳥貴族さんが美味しくないとかいう意味ではなくて、あくまでも僕の嗜好の変化なのだろう。味覚も以前とは違っているかもしれない。それでもカマンベールコロッケは美味しかった。串１０本と一品、それにビール２杯で終了。
鳥貴族を出て、次はどうしようかと悩む。とりあえず、地元まで帰ろうと決める。あとは地元でどこか行こうと考えるが、結局、その後はどこにも行かずで終わる。
じゃんぼ酒場、立ち飲み屋、古書店、鳥貴族と、今日は散財するぞと思っていたけれど、トータル９０００円ほどだった。散財と言えば散財だけど、まあ、それくらいで収まってよかったことにしようか。
（寺戸順司－高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー）
