7月30日:脂汗を流しに

7月30日(火):脂汗を流しに

 

 火曜日は定休日だ。お休みだ。

 

 今日は朝から歩きに出る。日ごろの運動不足を解消しなくては。しかし、外は猛暑だ。気持ちがくじけそうになる。まあ、それでもとにかく外には出よう。

 特に計画は立てていない。暑いのであまり遠くには行かないようにしよう。

 最初に近所を歩いて、それから電車に乗る。長岡天神駅で下車する。天神さんには月参りすることに決めていたのだけれど、ここしばらくはできていないことを思い出す。それで今日はお参りしておこうと決めた。

 

 駅から出る。まずはコンビニに寄って、そこの灰皿でタバコを一本喫う。天神さんへはどちらから行こうかなどと考える。池側から行くか、正面の鳥居から行くかを考え、今日は正面から攻めることにする。

 炎天下をテクテク歩く。ああ、やっぱり暑い、中止しようかなという気持ちがもたげてくる。トイレにも行きたくなった。それで急遽、道中にあるパチンコ店に入る。トイレを済ませ、ロビーで涼む。

 パチンコ店は客がまばらだ。平日の午前といえばこんなものなんかもしれない。人が座っていなくても台はきらびやかだ。節電が言われているのにこの業界だけは無縁だな。人が座ると明かりが点灯するような台にすればいいのにとも思う。多分、それをすると、今度は店内が陰気臭くなるんだろうけど、僕の知ったこっちゃない。ちなみに、まばらな客たちを見ていると、楽しそうにしている人や幸せそうな人は皆無だった。

 天神さんをお参りする。最近はスマフォを再び持ち始めているので、いくつか景色を写メに残しておく。参拝を終え、神社裏の広場というか散策路を歩く。様々な梅の木が植えられている。梅の木にもいろんな種類があるんだなと思う。僕のような素人が見るとどれも同じ木に見えるんだけれど、専門家が見ればそれぞれ違いがあるんだろうな。素人と専門家の認識次元の違いということを考える。

 

 駅に向かう。少しだけ古書店に入る。以前、この店に来た時に、いつかこれを買おうと思った本があった。そういう記憶はあるんだけれど、それが何の本だったかを忘れてしまった。記憶を新たにするためにも入店する。ああ、そうだ、黒島伝治の全集だ。すごく興味がある。でも、買っても読む時間があるだろうか。それを思うと、今日は買うのが憚られた。

 

お昼は長岡天神駅周辺で食べようと決める。そう決めたものの、店が決まらない。食べたいと思うものもなかった。さんざん迷って、ウロウロした挙句、カレーに決める。カレーの「ココイチ」さんに入る。

 長岡天神駅の「ココイチ」には初めて入る。高槻のは何度も行ったことがあるけど、ここは初めてである。高槻よりも席数が多く、店内も広い。

 席に着く。最初に店員さんが来る。「ココイチ」はどことも、決まったら呼んでくださいというスタンスを取る。それはいいんだけど、時々、呼び鈴的なものが置いてあったらと思うことがある。呼び鈴を置くほど広くはないのだけれど、店員さんを呼びにくい時もある。微妙な感じだ。

 こんなことを思うのは、次のような場面に遭遇したからだ。僕はカウンターに座っていた。その男性客は僕の真後ろのテーブル席に座った。その男性が注文を聞きに来ないと言って、怒って出ていったのだ。

 その人は僕よりも後に入店した。僕は先に注文したけれど、僕の注文品が来る前に、その男性は出て行った。だから、彼は少しも待たずに出て行ったわけだ。何か急いでいる事情もあるのかもしれないけれど、いささか早急すぎやしないかとも思う。

 それに、彼は店員さんを呼んだかもしれないんだけど、少なくとも、僕には聞こえなかった。近くにいた僕にも聞こえなかったのだから、当然、店員さんにも聞こえないのだ。まあ、そんなに怒らんでもいいことではないかと思うのだが、他人のことは放っておこう。

 さて、僕はカレーを食する。「ココイチ」では、具はその時々で変えることはあっても、4辛、400グラムは決して変えない。4辛くらいが僕にはちょうどいい。

 外で思い切り汗を流して、さらに大盛りの辛口カレーで汗を流す。きっと、後で汗臭くなるだろうなと思いつつ、そんなの気にしてたまるかと思っている自分がある。

 今、僕は汗と言ったけれど、こいつは本当は言い過ぎだ。良いように言っている。僕の汗はヤングの汗ではないのだ。若者がかくような汗ではないのだ。汗と言えば汗なんだけれど、本当は脂である。僕の場合、汗をかくとは、脂汗を流すことなのである。サラッとした汗ではなく、もっとドロドロしたものだ。そんなのが流れ出ているような感じがしている。

 

 昼食後、やはりコンビニの灰皿のところでタバコを一服。この後のことを考えている。結局、高槻に出ることにした。

 高槻に出ると、結局、いつもの感じで過ごした。有意義であったようななかったような、そんな休日を今日は過ごした。一つ良かったことは、たっぷり脂汗を流したことくらいか。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

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