7月16日:青海島へ 

7月16日(日):青海島へ 

 

 島根の二日目。今日は親とは別行動をしようと計画していた。親たちが知人たちを訪問している間。僕は一人で海を見に行こうと考えていた。僕がいたら両親もゆっくりできないだろうと思うのだ。 

 両親は今日は観光をするというので、それならと僕も同乗した。母親の希望で、山口県まで足を伸ばし、青海島へ行くことになった。 

 青海島(おおみじま)は、僕は行ったことがなかった。母たちは昔行ったことがあるそうだ。母にすれば懐かしい思い出があるのかもしれない。 

 

 朝、車に乗り込むとひたすら山口県目指して走る。山口県の方が島根よりも都会だなと感じた。道中、世界遺産の反射炉の脇を通る。ああいうものはもっと山の方にあったり、小高い所に作られたりするのかと思っていたが、意外にも低地に、それも町の中にあるので驚いた。 

 

 さて、道中がたいへんだった。父も昔行ったときの記憶を頼りに運転しているので、なかなかスムーズに辿り着けなかった。一度、大きく通り過ぎてしまう。 

 僕は青海島のことは分かっていなかった。ボートで一周するのだと母からは聞いている。そのボート乗り場に着く。土産物屋などが並んでいい感じだった。何も買わなかったけど。 

 30分ほどの待ち時間を経て、それからボートに乗り込む。最初は船内にいたけど、すぐに飽きて、後部の屋外デッキに出る。天気は良く、時折、海水がかかることもあるが、それもまた心地よい。以後、デッキに立って周遊する。 

天気が良かったのが幸いだった。素晴らしい光景が広がっていた。海上に突き出た岩山はどれも個性的で、それぞれに名前がついているのが面白い。観音様が拝んでいるように見える岩、男根のように見える岩山、コウモリが羽を広げたように見える岩山など、ちょっとしたロールシャッハテストのようだった。 

 

 青海島を後にする。島根に戻る。ユメタウンにて、両親は昼食を取る。僕は腹が減っていないのと、車中で昨日の残りのおにぎりを食したので、それで十分だった。母たちが食事をしている間、僕はその辺を歩く。阪神タイガースのユニフォームを着た人とすれ違う。一瞬、ここが島根であることを忘れる。 

 いろんな店が集まっている。書店もあったので覗いてみる。僕の見落としかもしれないけど、心理学関係の本がまったくなかった。この辺ではニーズが無いのかとも思う。 

 

 昼食が終わると、またお見舞いだ。僕にはあまり馴染みのない人なので、昼食時同様、両親とは別行動をし、僕はその辺を歩く。できるだけ外を歩き、大陽を浴びる。 

 その人のお見舞いが済むと、今度は再び伯父さんのお見舞いだ。夕方になっていたので簡単に済ませる。その後、伯父さん宅に向かって、挨拶をし、伯父さんの様子などを報告する。 

 それから、旅館に向かう。道中、たくさんの人とすれ違うし、一部交通規制もやっている。何かお祭りがあるようだ。 

 

 旅館にて、夕食を済ませると、僕は歩きに出る。今夜は駅の方に行ってみようと考えていた。駅周辺、いろんなお店もあるけど、今日は日曜日なので休みのところも多かった。この辺りは奈良県に雰囲気が似ているなと感じた。 

 旅館へ戻る道中、パーンと花火の音が聞こえる。見ると、遠くの方で花火が打ち上げられているのが見える。どうやら割りと規模の大きい祭りが催されているようだ。旅館まで戻る。そこからでも花火が見えるので、しばらく旅館前に佇んで花火に見入る。旅行先で偶然祭りに遭遇するなんて、なんか得した気分だ。 

 

 旅館に戻ると、少しだけを本を読む。後は何か適当なテレビでも観て過ごす。以上が今日一日、島根の二日目の出来事だ。明日はいよいよ帰宅か。 

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー) 

 

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