6月4日(木):「二人の助手の夢」
(夢)「二人の助手の夢」
どういういきさつがあったのか、僕の仕事を手伝いたいという二人が現れた。一人は女性で、年齢的には20代後半くらいの感じだった。もう一人は中年の男性だった。
僕たちはある問題について取り組んでいた。女性は僕につき従って一緒に話し合う。彼女は性格的にも大人しい感じだった。一方、男性の方は、ある意味では活動的でエネルギッシュなのだけど、ともかく行動に移そうとし過ぎる。
僕は男性を制御しなければならなかった。彼は僕のためならいくらでも一肌脱ぐと言って、とにかく飛び出して行動したがる。外に飛び出す彼の後を追い、彼を連れ戻す。「もう少し考えてみよう。行動に移す時が来れば頼りにするけれど、それまでは勝手に動かないでほしい」と、僕は彼に頼む。
この二人が僕の仕事を手伝うことになったのだけど、女性は臨床経験があるということで、僕は彼女の方を信頼していた。男性はあまり学がなく、衝動的に動いてしまうので、彼の方はむしろ要注意人物だと僕はみなしていた。
(連想と感想)
二人の協力者が現れた。前回の「荒地の夢」よりも力強い感じがする。前回はあまりに独りだった。
夢の中の男性は、時折、僕の夢に登場する「衝動的」なタイプの人である。たいてい、このタイプは男性で示される。彼はエネルギッシュで、ある意味、とても自分の感情や衝動に正直なのである。それが暴走することが困ることであり、他の夢でも僕がその制御役になっていることが多い。
この男性のことを考えよう。果たして、僕は彼を制御しなければならないのだろうか。彼が自分勝手に行動して、僕に何か良くないことが起きるだろうか。もし、そんなふうに思うのだとすれば、僕は僕の衝動性を恐れている、それを解放することは不吉な結果をもたらすかのように思い、そして、怯えている。もう一度、僕のその態度の正当性を考えなおしてみることが求められているのかもしれない。
一方、女性の方は理性的である。落ち着きがある。少なくとも臨床、仕事に関しては、僕はこの女性を右腕にしなければならないようだ。
この女性は、冷静さであり、知性や理性であり、そして何よりも女性性という印象を僕は受ける。こうしたものが臨床の仕事ではもっと必要とされるのだろう。
本当は両者が必要なのだろうけれど、僕は一方だけを身に着けようとし過ぎているのではないかと、そんな思いに駆られる。
(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)