6月28日:コンビニに嫌気がさす 

6月28日コンビニに嫌気がさす 

 

 副業の深夜勤務を終えたばかり。6時までシフトで、6時10分には外に飛び出していた。そこに長くは居たくない。 

 昨夜はまるで勤務に熱が入らなかった。作業をしながらも、考えているのは本業のことばかり。まるで集中を欠き、身体が機械的に動いているだけだった。 

 先日、店長と飲んだ。店長ももう引退したいのだな。確かに引退してもおかしくない年齢だ。引退を考えているので、後を任せられるような人を探していたのだろう。僕にも手伝って欲しかったのだろう。店長には申し訳ないけれど、僕はそれを務められそうにない。僕の方がもう嫌気がさしている。 

 僕が以前バイトしていた頃、我々で動かしているという感覚がもっとあったように思う。今は言われたことだけをした方が無難だ。気を利かして何かやったら、なんでやったんだと言われるし、やらなかったらやらなかったで、なんでやらないんだと言われる始末だ。上の人間がぶれまくっているから下にいる人間が苦労するわけだ。 

 まあ、コンビニ業界自体が今は下火だろうという気がする。どこか全体的にマイナスムードが漂っているように僕には感じられてしまう。多分、ある程度、行き着く所まで行き着いたのだろうな。 

もちろん、コンビニは24時間営業だけど、深夜の客といえば、大半がタバコだけ買うとか、その程度だ。品物はあまり売れない。一部の品においては値引きされているけれど、大部分は定価販売している。同じ品が、例えばディスカウントショップや大手のドラッグストアなんかに行くと、もっと安く買えたりする。どうしてもそれが朝までに必要だという場合でない限り、商品は売れない。 

 そこでコンビニがどういう路線を打ち出しているかと言うと、自社ブランドを立ち上げているわけだ。ローソンにはローソン商品が、ファミマにはファミマブランドの商品を打ち出しているのだ。でも、僕はこれは全体的に方向性が正しくないように思っている。 

 自社ブランドを立ち上げても、それを目当てに来店する客がどれほどいるだろうか。要は、スーパーやディスカウント、百貨店、ドラッグストア、100円ショップなどから客を奪わなければならないのだ。でも、それらの店と比較して、コンビニのメリットというものがやはり弱いのだ。24時間営業は、もはやそれほどのメリットではない。百貨店やスーパーも割と遅くまで営業している店があるくらいだから。 

 挙句の果てにFF(ファストフード)辺りでちまちま勝負しているだけの状態だ。FFというのは、つまり、フライドチキンだとか、コーヒーだとか、おでんとか中華まんとか、レジカウンターで什器に入っている商品だ。そこだけでしか勝負にならないというのは、何とも頼りない話ではないか。 

 おまけにあの廃棄だ。ロス商品だ。これは賞味期限が切れた食品のことだ。コンビニの場合、期限がきたら、すべて処分する。割り引いたり、再利用したりというようなことができない。実に不便な話だ。 

 僕はスーパーでもバイトした経験がある。そこでは商品の再利用、再々利用が普通に行われていた。例えば、食パンの賞味期限が近付いているとする。まず、値引きする。それでも売れなかったら、サンドイッチなどに利用する。また、パン粉にして、同じく賞味期限の近づいている豚肉と一緒にトンカツにして売ったりする。そうやってできるだけ廃棄にしないように工夫しているのだ。コンビニはそういうことができない。 

毎晩、一日の廃棄商品を僕はゴミ箱に放り込むのだけれど、あれを見ると、本当にイヤな気分になる。食べるのに困っている人もいるのにとか、そういうことではないのだ。ただ、捨てるために作ったのかという感じがするのだ。なんとも無意味な経済活動じゃないかという気になる。 

 

(寺戸順司-高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

 

 

 

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