6月23日:やっちまった!~がんばれショッカー

6月23日(日):やっちまった!~がんばれショッカー

 

 相変わらず分冊本が人気だ。いろんなシリーズがある。僕は「マカロニウエスタンDVDコレクション」を最後に、ああいう分冊には手を出さないでおこうと決めていた。

 でも、やっちまった。デアゴスティーニが出している「仮面ライダー」シリーズの創刊号に手を出してしまった。ついつい衝動買いしてしもうた。

 いや、確かに「仮面ライダー」シリーズをもう一度観たいなとは思っていた。いつかレンタルDVDで制覇してやろうなどとも考えていた。だから、こんな分冊本が出てくると、ついつい手を出したくなってしまうのだ。

 

 本号では初代ライダーの第1話から第5話までが収録されている。当然、旧1号ライダーだ。

 主人公の本郷猛を演じるのは、藤岡弘さんだ。若いなあ。それに、アツイ。あの顔からして、太い眉毛からして、とにかくすべてがアツイ。藤岡弘さんが演じなかったら、仮面ライダー人気は生まれなかったんじゃないかって思うくらい適役である。

 その本郷猛であるが、ショッカーにつかまって、改造されてしまうのだ。抜群の運動神経を持つということらしい。

 優れているのは肉体だけでない。頭脳も明晰で天才的であるとのことだ。なんでも知能指数が600だと言う。んなアホな。IQ600とは、オーソドックスな計算式を適用すると、それは次のことを意味する。仮に本郷猛が20歳だとすれば、その精神年齢が120歳ということである。そうでないとIQ600にはならんのだ。そして、精神年齢120歳ということは、120歳用の問題が解けるということである。しかし、120歳向けの問題作成並びにデータをどうやって取るのだ。ムチャクチャやな。

 

 さて、初代のライダー、つまり「旧1号」のことであるが、全身黒ずくめである。ヘルメットも、手袋も、黒である。ハッキリ言って、悪役カラーである。ショッカーの改造人間ということで、まだまだ悪役性を帯びている感じがして、なかなかいい。

 しかも、初期のマスクは口の部分が完全に閉じていないのだ。少し隙間ができている。呼吸のためなんだろう。後ろも、うなじの辺りが開いている。暑さ対策なんだろう。そして、大きな目の下のガラスの部分から人間の目が時折見える(オープニングなど)のもご愛嬌である。そういう人間臭さの部分も魅力だ。

 

 主演の藤岡弘さんを始め、立花藤兵衛演じる小林昭二さんを筆頭に、島田陽子さんも出演していたんだ。知らなかった。ショッカー首領の声は納谷悟朗さんがやってたんだ。納谷さんと言えば、「ルパン三世」の銭形警部の声をやっていた人だ。今回、初めて気づいたことも多々ある。

 

 さて、仮面ライダーと言えば敵の怪人たちである。悪役こそ本当の主役である。毎回毎回、よくもまあ、あれだけの怪人を作るなと感心するくらい、さまざまな怪人が現れ、ライダーに倒される。

 冊子には怪人紹介のコーナーがある。最後の一文だけ引き抜くと次のようになる。

 「ライダーキックを受け、泡状に溶けて絶命」(蜘蛛男)、「ライダー投げで地面にたたきつけられて絶命」(蝙蝠男)、「ライダーキックを受け、液状になって消滅」(さそり男)、「ライダーキックを受けて消滅」(サラセニアン)、「ライダーキックを受けて消滅」(かまきり男)。ヒサンすぎる。

 それにショッカーだ。世界征服とか人類滅亡とかの大野望を抱きながら、その下位計画のどれ一つとして成功したためしがないという、それでもめげないという、素敵な面々である。

 よし、僕はそんなショッカーを応援する。がんばれショッカー。明後日の創刊第2号も僕は必ず買う。

 

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー)

 

 

 

 

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