6月14日:転院初日

6月14日(火):転院初日

 今朝、高槻から京都の病院に転院した。高槻の某病院とおさらばできるのは嬉しい限りだった。4人部屋で、一人はこの部屋の主みたいな年寄りだ。この人がこの部屋で一番長い。二番目に長い若い人と僕の後に入ってきたお年寄りの二人は、エアコンを巡って抗争する。若い彼はエアコンの温度を極端に下げるのだ。昼間はいいけど、夜なんか、僕も寒いと思った。どうせ一日の辛抱だと思い、そのままにする。
 父が来て、早々に病院を後にする。今度、高槻に来るのはいつになるだろう。そんな思いで、車窓の風景を眺めていた。
 京都の病院に着く。紹介があるから、僕は簡単な問診や検査をして、それからすぐに病室に入れるのだろうと期待していたけれど、甘かった。問診があって、7つほど検査をして、午後から二つの検査を実施する。検査はいいけど、少し休ませてと何度も思った。
 昼過ぎに病室に入る。部屋が空いてないというので個室になった。個室は値段が跳ね上がるけど、独りになりたいという気持ちも強かった。
 個室に入ったものの、なかなか独りにはさせてくれない。母親も見舞いにくるし、スタッフや看護師たちも頻繁にやってきては、説明したりするしで、なかなか独りになって横になるということができなかった。
 しかし、不思議な因果で、入院しなかったとしても、今日、病院に行く予定だった。いつぞや、母ともどこの病院がいいかなどと相談したものである。休日に、その都度、何らかの予定等が入るので、伸びに伸びたのであるが、結局、こういう形で病院のお世話になることになった。
 僕としては、昨日も書いたように、こうなって良かったと思う部分もある。クライアントさんたちには迷惑な話だっただろうけど、僕としては良かった。壊れる寸前のところを、壊れないようにと注意しながら生きるよりも、いっそのこと壊れてしまって、修繕して生きる方がいいと思える場面もあるものである。
 それはいいとして、ようやく独りになれたのは、夜8時以降ではなかっただろうか。それまでは何かと人の出入りがあった。やっと、一息入れることができた。長い一日だった。

(寺戸順司―高槻カウンセリングセンター代表・カウンセラー 

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